坂本勇人は張本勲の通算3085安打を超えられるか NPB記録達成は2027年?

巨人・坂本勇人【写真:Getty Images】

開幕延期で史上最年少での2000安打達成は困難となった坂本勇人

新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期となっている日本のプロ野球。政府が発出した緊急事態宣言が延長され、新たな開幕が見通せない状況が続いている。3月20日の予定だった開幕は2か月以上延期となることが確実で、交流戦の中止も決定。試合数も143試合から最大でも125試合まで減少することが決まった。

開幕延期と試合数削減により大きな影響を受けるのが選手たちの通算記録だ。今季は巨人の坂本勇人内野手に史上最年少での通算2000安打達成がかかるシーズン。7月29日までに残る116安打を放てば、榎本喜八の持つ31歳7か月16日の史上最年少記録を更新するはずだったが、開幕の延期でそれは厳しい状況となった。

まだ、31歳の坂本。これまでの実績通りいけば、125試合あれば、シーズン中の2000安打到達は可能だろう。2006年のドラフト1位でプロ入りし、今季が14年目のシーズン。2年目からレギュラーの座を手にし、活躍を続けてきた坂本にファンが期待するのは、前人未到の記録であった張本勲氏の持つ通算3085安打の歴代最多安打記録の更新ではないだろうか。

マリナーズのイチロー氏は4367安打を放ち、歴代トップだが、これは日米通算成績。張本氏のNPB単独での史上最高記録となる3085安打は40年破られていない。これを破る可能性が最も高いとすれば、それは坂本だろう。

定位置を確保した2年目以降は年平均157安打を積み重ねている坂本

2年目の2008年にレギュラーに定着し、今季がプロ14年目。遊撃手という肉体的な負担が大きいポジションでありながら、シーズンを棒に振るような大きな怪我なく、試合に出続けており、12年間で1670試合に出場。7254打席に立ち6440打数1884安打、通算打率は.293となっている。

定位置を奪って以降の12年間で年平均157安打を積み重ねてきている坂本。張本氏の3085安打までは残り1201安打だ。これまでのペースと同じ157安打ペースで打ち続ければ、7年後の2027年途中に3085安打を超えることになる。今季の試合数削減がどう影響するかは分からないが、この2027年は坂本が38歳で迎えるシーズンとなる。

遊撃手というポジション柄、38歳までその位置を守り続けることは難しいかもしれない。ただ、負担の少ない位置に移しつつ、プレーを続ければ、十分に射程圏にあると言えるだろう。

張本氏が史上ただ1人の3000安打の大台に到達したのが1980年、40歳となったシーズンだった。翌1981年に41歳で現役を引退している。坂本はたとえ安打のペースが少しばかり鈍ったとしても、張本氏が3000安打に到達した40歳で迎える2029年シーズンには頂きに手が届くだろう。(Full-Count編集部)

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