子育て世代に弁当 諫早の企業有志 1食100円で

多くの子育て世代が予約した弁当を受け取りに訪れた=諫早市、西楽寺

 休校中、食事の世話などで多忙な子育て世代を支援しようと、諫早市の企業有志が1食100円で提供する「こどもべんとう」の取り組みを始めた。企業の協賛金を基に飲食店に弁当作りを委託し、弁当の売上金は医療従事者に寄付する仕組み。休校が終わっても不定期に活動を続ける。
 市内約20社でつくる「社会全体で子どもを育てる委員会」(森淳(あつし)代表)が企画した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、長引く休校で厳しい生活環境を強いられている世帯や、経営的な打撃を受けている飲食店、医療従事者らが互いに支え合う支援の輪を広げたいとしている。同委員会が弁当代を負担。1日に初めて弁当200食を提供した。
 会員制交流サイト(SNS)で取り組みを発信したところ、大きな反響を呼び、予定していた弁当100食が1時間で完売。翌日、100食の追加注文を受けたところ5分で売り切れた。弁当は管理栄養士が監修し、企業から提供された諫早名産のうなぎなども使用した。
 同市八坂町のきりん食堂が徹夜で弁当を仕上げた。当日、受け渡し会場となった西楽寺境内には、予約時間に応じて次々に親子連れが訪れ、うれしそうに弁当を受け取った。同市小川町から訪れた東ゆきえさん(46)は「飲食店は大変な時期なのに低価格で提供してもらいありがたい。ちょっとでも協力できれば」と話した。
 森代表は「趣旨に賛同してくれる人が多いことに改めて驚いている。次回は弁当を依頼する飲食店を増やす予定。コロナ収束まで、できる限り続けていきたい」と話している。

© 株式会社長崎新聞社