サイ・ヤングの「24イニング連続被安打0」達成から116年

116年前の1904年、当時ボストン・アメリカンズ(現レッドソックス)に在籍していたサイ・ヤングは4度の登板に跨って「24イニング連続被安打0」のメジャー記録を打ち立てた。その記録が達成されてから現在に至るまで、20人がアメリカの大統領を務め、2度の世界大戦が勃発し、球界のみならず日常生活も大きく変化したが、ヤングの記録を更新する投手は現れていない。

1904年4月25日、ヤングは6回裏の先頭打者にヒットを許したが、続く2イニングを無安打無失点に抑え、8イニングを6安打2失点(自責点0)で完投。ただし、試合には0対2で敗れた。5日後の4月30日にはリリーフで7イニングを投げて無安打無失点に抑え、現在のセーブを記録(当時はセーブの概念はなかった)。その5日後の5月5日にはアメリカン・リーグ史上初の完全試合を達成した。そして、5月11日の試合では15イニングを無失点に抑えて完封勝利をマークしたが、7回表に二塁打を浴びて連続無安打記録は終了。4度の登板に跨ったヤングの記録は2+7+9+6で合計24イニング連続被安打0となった。

1938年6月にはジョニー・バンダー・ミーア(当時レッズ)が史上唯一となる2試合連続ノーヒッターを達成したが、連続無安打記録は21イニングでストップ。ナショナル・リーグ新記録を樹立したものの、ヤングには及ばなかった。

ヤングが記録を打ち立てた1904年はいわゆるデッドボール時代(飛ばないボールの時代)であり、現在の球界とは事情が異なる部分もある。エリアス・スポーツ・ビューロー社によると、球団拡張が始まった1961年からの「エクスパンション時代」では1977年にデニス・エカーズリー(当時インディアンス)が記録した21イニング連続被安打0が最長であるという。

エカーズリーに次ぐ2位には5人の投手が並んでおり、1973年のノーラン・ライアン(当時エンゼルス)、1974年のスティーブ・バスビー(当時ロイヤルズ)、1986年のマイク・スコット(当時アストロズ)、1996年のドワイト・グッデン(当時ヤンキース)、そして2015年のマックス・シャーザー(ナショナルズ)が16イニング連続被安打0をマーク。今後、ヤングの記録を塗り替える投手は現れるのだろうか。

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