《コロナと向き合う (11)》休校を機に表現練習を NPO法人ぐんま子どもセーフネット活動委員会理事長・飯塚秀伯さん

 学校の休校が長期化する中、子どもがインターネットやスマートフォンと向き合う時間が増えている。NPO法人ぐんま子どもセーフネット活動委員会の飯塚秀伯理事長(53)は、家庭での利活用について注意を呼び掛ける。

―ネット、スマホ利用で注意すべき点は。
 休校が長期にわたり、自制が利かなくなってしまうこともある。家庭でのルールを決めることが重要だ。子どもがネットで何をしているか、保護者が把握しておく必要がある。子どもが利用するサイトやアプリについてなるべく否定せず、家庭で話題にしてほしい。ネットをしている時間と、そうでない時間をはっきり分ける。保護者自身もルールを守ってほしい。

―特に注意が必要なネットのサービスとは。
 最近は会員制交流サイト(SNS)などで動画を使ったコミュニケーションができる。生放送でやりとりする「ライブ配信」は心配だ。一度配信してしまった動画は録画され、ネット上で永久に拡散され、悪意ある用途に利用される可能性もある。検索サイトから偽のサイトに誘導され、パソコンやスマホに障害が起きたり、課金を求められる事案も報告されている。

―ゲームや漫画サイトの課金も問題になりやすい。
 他のプレーヤーと交流しながら遊ぶ「ソーシャルゲーム」の「ガチャ」は注意が必要。欲しいキャラクターやアイテムが出るまで際限なくお金をかけてしまうなど射幸性が高い。気付いた時に、とんでもない額を請求されることもある。

―ネットやスマホを有効に利用するにはどうしたらいいだろう。
 文字だけのコミュニケーションは、表現したい感情が文章でうまく伝わらず誤解を招きやすい。この機会に、思いを伝えるための言葉の選択や表現方法を練習してみるのもいい。文章に頼ることが多いからこそ文章力を身に付けるべきだ。

 また、動画を使うコミュニケーションは表情や動作が分かりやすい。まず家庭内で利用を始め、親子で動画コミュニケーションの練習を。利点、欠点を家族で共有し、その後徐々に利用範囲を広げていくと良い。

 いいづか・ひでのり 2006年に任意団体「ぐんま子どもセーフネット活動委員会」を立ち上げ、15年にNPO法人化。子どもの健全育成活動を続ける。高崎市。

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