【新型コロナ】自宅でアート鑑賞を オンラインギャラリー開設へ資金募る

「作家たちと共に新しいアート体験を提案していきたい」と語る田口さん(右)=横浜市中区

 新型コロナウイルスの感染拡大で美術館や画廊などの営業自粛が続く中、インターネットでアート作品を公開する取り組みが動きだそうとしている。自宅で鑑賞気分が味わえる「オンラインギャラリー」で、主宰者はクラウドファンディング(CF)で開設資金を募っている。

 横浜・元町で40年以上続くすし店の2代目・田口竜太郎さん(43)は、すしを味わいながら絵画や立体作品などのアートを楽しむ「Gallery+Sushi三郎寿司あまね」を2018年に開業。店舗では、横浜に縁がある作家の作品を紹介し続けてきた。

 政府の緊急事態宣言を受け、すしの販売はテークアウトのみに切り替え、外出を促すアート展も休止に。町の画廊も閉まっていく中で「アーティストの発信する場が、どんどん奪われていく」と危機感を覚えた。

 「活動機会を失っているアーティストを支援したい」と思い付いたのが、ネットで作品を公開するオンラインギャラリーだ。ピンチをチャンスに変え、未来のアートシーン創造を思い描く。

 横浜ゆかりのアーティストを中心に取り上げる予定で、初回は大学などで講師も務める画家の萌白(めじろ)さん(17)を紹介する。田口さんは「アートには、心を癒やす力がある。疲れたときなどにサイトを開いて、豊かな時間を過ごしてほしい」と思いを込めている。

 田口さんはギャラリーを開設する資金200万円を26日まで、CF「キャンプファイヤー」で募っている。支援は2千円からで、目標金額に満たない場合は返金する。

© 株式会社神奈川新聞社