3密対策 分散登校で座席にゆとり 長崎県内学校再開 

視聴覚室で間隔を空けて座り、授業を受ける生徒=長崎市竹の久保町、長崎西高

 長崎県内の多くの公立小中高校が再開した11日。本土部の県立高では、生徒を日替わりで登校させる「分散登校」や、普段の教室より広い視聴覚室などを使って授業をするなど「3密」対策を取りながら、新たな学校生活が始まった。
 約830人の生徒が通う長崎市の長崎西高。午前8時前、普段であれば大勢の姿が見られる校門前の坂道に、人影はまばら。11日は3年生全員と1年生の半分が登校。さらに1年生の登校時間を40分ずらして、公共交通機関の「密」を避けた。12日は2年生と残りの1年生が登校し、22日まで分散登校を続ける。
 授業は、視聴覚室や社会科教室など、通常の教室より大きな特別教室を使い、生徒同士の距離を広くして密集対策。終了チャイムが鳴っても授業が続くと、廊下で様子を見ていた馬木みどり教頭は「久しぶりで先生も気合が入っている」と笑った。
 同校3年の荒木惇熙(としき)さん(17)は「家で勉強するより、みんなで授業を受ける方がやりがいがある」と満足そう。新型コロナ感染症対策で慣れない生活が続くが「また休校にならないよう、気を引き締めていきたい」。放課後には教職員が毎日教室を消毒。本村公秀校長は「学びの場を守りつつ生徒の不安を取り除けるよう、感染予防も授業も精いっぱいやっていく」と力を込めた。
 長崎市立桜町小では、教室や廊下の窓を開けて換気をし、座席の間隔にゆとりを持たせるなどした。3年生の教室では、三浦広子教諭(35)が黒板に「今できることを今できる形で」としたため、子どもたちを迎えた。戻って来た学校の風景に、三浦教諭は「子どもたちの笑顔を見ていると、学校が好きなんだなと思う」と目を細めた。

 


© 株式会社長崎新聞社