慶應義塾大学とNTT東日本、宇宙IoTとシステム×デザイン思考による社会課題の解決を目指す共同研究を開始

労働人口の減少やインフラの老朽化などに起因する社会課題が各地域で顕在化する一方、新型コロナウイルスの影響によって人々の暮らしや経済活動が大きく変化をしている。将来に渡って社会課題の解決へ継続的に取り組むためには、俯瞰的かつ緻密な視野でものごとを捉え、経済的な価値を併せ持つソーシャルビジネスを創出する必要がある。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科(以下、慶應SDM)と東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は、新型コロナウイルスの影響による社会変化を見据えた地域活性化のために、宇宙IoTとシステム×デザイン思考を用いた社会課題解決を目指す共同研究を開始した。今回の共同研究では、高機能化とコモディティ化を進めつつある宇宙IoTを活用して、システム×デザイン思考の考え方を用いた社会課題解決のための方法論の構築を行い、継続性のある課題解決を目指す。そして、新型コロナウイルスの影響による社会変化を見据え、対象地域の課題を把握しながら、社会課題解決と経済的価値創出の双方を満たすソーシャルビジネスの創出に取り組む。慶應SDMは、ものごとを俯瞰的かつ系統的に捉えるシステム思考と、ものごとをユーザ起点で考えてイノベーションを起こす創造につなげるデザイン思考を組み合わせたシステム×デザイン思考の研究教育を推進し、人工衛星からスマートフォン、超小型センサーに至るまでの様々なものをつなげた宇宙IoTを活用した実践的研究を行っている。一方、NTT東日本は、地域をつなぐ高速・広帯域なネットワークを構築しセキュアな通信サービスを提供すると同時に、AIやIoT、エッジコンピューティングなどのデジタル技術を用いて、地域のデジタルトランスフォーメーションを支援するICTサービスの提供も進めている。この共同研究は、慶應SDMとNTT東日本が保有する学術的知見や先端技術、アセットを掛け合わせ、発展させることで進めていく。共同研究においては複数の地域を対象に、課題の原因分析や関係者の把握、解決のためのシナリオ策定を対象地域の自治体や企業、教育機関などと連携して実施する。また、NTT東日本のネットワークを用いた映像コミュニケーションなどを活用することにより、新型コロナウィルスの影響で更なる拡大が見込まれるオンラインでの協調作業の推進にも寄与していく予定だ。

© 株式会社アールジーン