日本酒の芳醇な香りにリラックス効果 月桂冠総合研究所が確認、学会で発表

月桂冠の日本酒。月桂冠総合研究所は日本酒の香り「吟醸香」の主成分にはリラックス効果があることを発見して学会に報告した

 日本酒の芳醇(ほうじゅん)な香りにはリラックス効果がある―。そんな研究成果を、月桂冠総合研究所(京都市伏見区)がまとめ、日本農芸化学会でこのほど発表した。日本酒のフルーティな香りを作り出す「カプロン酸エチル」と「酢酸イソアミル」には、ストレスや不安などの感情を抑える効果があることを科学的に確認した。

 同研究所は、筑波大大学院の矢田幸博教授の技術指導を受け、30~40代の女性18人で評価試験を実施した。カプロン酸エチルと酢酸イソアミルの香りをかぐ前と後での感情と気分の変化をそれぞれ調べたところ、抑うつ、不安、敵意、緊張感、ストレスなどの感情や心理状態が有意に低下していたという。
 研究成果は、日本農芸化学会の本年度の大会で優秀発表に選ばれた。月桂冠は「研究成果を活用し、日常生活に癒やしを提供できる商品の開発なども検討したい」とする。

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