「落ち着く…」古民家を活かした”テレワーク”スペース貸し出し

 毎週月~金曜日 ゆうがた5時30分から放送している奈良テレビの「ゆうドキッ!」では、奈良県内の企業の新たな取り組みを紹介しています。

 まずはこちらをご覧いただきたいのですが、先月「奈良県 旅館・ホテル生活衛生同業組合」が行ったアンケートです。

先月12日までに県内の宿泊施設39軒でおよそ19万人の宿泊キャンセルがあったことが分かりました。4月の売り上げ見込みが80%以上減少すると回答した宿泊施設が7割以上に上るということです。さらに、1か月以上休館を余儀なくされている施設が16軒あるということなんです。そうした中で、宿泊施設が今注目しているのが新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、各企業が導入している「テレワーク」。例えば、近鉄奈良駅前の「ホテル花小路」が「テレワーク応援プラン」と称して日帰り利用の受付を開始しています。自宅では仕事に集中できない方や環境を変えてお仕事に勤しみたい方などに好評のようで、10人以上の方がこのプランを利用されているそうです。

こういった取り組みはホテルだけではありません。今回は、ならまちの町家を活用した宿泊施設をレンタルスペースとして貸し出ししている「西村邸」主宰・杉本さんにお話を伺いました。

杉本さんが運営されている西村邸は、元々空き家になっていた築100年の祖母の家を古民家ならではの良さを再活用したいという思いで、茶室や庭を活かし、レンタルスペースやカフェなどを組み合わせて去年11月に宿泊施設としてオープンしました。

新型コロナウィルスの影響も大きく、オープンから半年、2月時点で4月・5月の宿泊予約は海外からの旅行者を中心に6割以上埋まっていたといいます。しかし、いまでは全てキャンセルに。そこで、新たな活路を見出そうと西村邸の母屋や庭、カフェスペースなど1日1組限定、最大4人までの貸し切りレンタルスペースとして営業することを決めました。

新型コロナの影響で先行きが見えない状況のなか、4月7日に主要都市へ緊急事態宣言が出たタイミングで決意したという杉本さん。何かすぐに取り組めることはないか模索し、長い自粛期間、自宅にこもり続けるストレスを西村邸の最大の特長である、町家ならではの解放感が解消してくれるのでは、と考えたそう。

感染拡大を防ぐためにマスクの着用はもちろん、入館の際に手洗いや検温、衛生管理や清掃を徹底するため、1日1組限定にしました。さらに、他県からの移動を抑制するという意図を込めて、奈良県民の方や家族の方には割引するなど独自のプランを設定。

現在、週5日の頻度で地元の方を中心に稼働しているといいます。Wi-Fiも完備されているので作業に適した環境であることはもちろん、広い座敷で写真を撮ったり、家族でくつろいだり…と様々な利用があるといいます。

利用者からは「落ち着く」「作業がはかどる」「こういった場所があるのがありがたい」と、好評です。杉本さんは「この空間を活かして地域の人のために役立てれば。7月くらいからは宿泊の受付を再開したいと考えている。いま反響をいただいているレンタルスペースとうまく組み合わせて営業していきたい。」と手ごたえを感じています。

西村邸への予約・問い合わせはホームページから受け付けているということです。

※この記事は取材当時の情報です。

© 奈良テレビ放送株式会社