現役吉原コンパニオンが指南 『吉原でモテる男性とは』 男性自身の思う「モテる男」は間違っている

写真はイメージです。

「イケメンでした……」

一仕事終えて控え室に戻った入店間もない若い女の子が帰ってきて、「えー、いいなぁ!」と、すかさずそう言ったのは、彼女同様キャリアの浅い子だだけ。

ベテラン勢はみんなちらりと目を向けて内心「気の毒に」と思うだけなんです。よく控え室で話題になりますが「イケメンは下手よね!」ということでして。

大体疲れ果てるまで女性が奉仕するばかりで楽しくもなにもないことが多くって、努力などしなくても次々に女性をゲットできるから「イケメンは下手」と言われてしまうのかも。

「俺のは、大きいからみんな喜ぶんだ!」

そんなことを口にする方も多いですが、身体の一部を擦るだけで、心の底から快感を得てイケる女性はいるでしょうか? そして、ソープはクラブと違って、時間でいくらと決まってますから、お金持ちからもそうでない方からも同じ料金しかもらいません。

だから、お金持ちがモテるとも限りませんよ。

同じ時間を共にするなら、意地悪なお金持ちがより優しい貧乏君に来てもらえた方が幸せかもしれないでしょ。男性の思う「モテる男」と、我々の思う「素敵な男性」との間には少々開きがあるかもですね。

以前いらしたお客様は、とても優しい男性でした。

「僕、ソープ嬢と結婚したんだ。こう見えて僕なりに稼ぎがいいし、一緒に幸せになろうってね。頑張って口説き落としたんだ! 今は子供もいて幸せだよ」

どうやら話は本当らしく、奥さんは自分が子育てに疲れている時には「ソープで癒されてきていいよ!」って、彼の背中を押してくれるそうです。

男の人がH不足で辛いのは我々のお仕事をしてたら理解できますし、ソープは遊び場と割りきった考えもできるのでしょうね。きっとその男性が、芯から信頼できる優しい人だからこその、元ソープ嬢の奥さんの言葉なのでしょう。

若い頃は、恥ずかしながら私も「カッコ良くてお金持ちで、Hも上手くて!」そんな白馬の王子さまを夢見てたこともありましたが、歳を重ねて、Hのキャリアも重ねて、沢山の男性にお会いしてきて行き着いた先は、「相手の立場になって考えられて、媚びることなく、しっかり芯が通った、心のしなやかな人」が本当に素敵な男性なのかなって思うようになりました。

「今回話した駄菓子、今度買ってきてあげるね」

そんなささやかな約束をしっかり守ってくれたお客様。

「お金ないけど、来年また来ます」

そんな方が、翌年本当に再訪してくれたり。こちらの落ち度をおおらかな笑顔で受け止めてくださったり。そんな些細なことで、案外我々は「キュン!」と胸がときめくんですよね。

テクニックはいらないので、人として素敵に成長してほしいです。まあ、当然ながら女性側もですが。(文◎久世素子 吉原某店勤務中)

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