知的障害者のダンス教室 ビデオ会議でレッスン 「3密」避け画面越し 笑顔でダンス 

川口さん(上段左から2番目)が指導するバタフライのズームレッスン画面(川口さん提供)

 新型コロナウイルス感染予防のため「3密」(密閉、密集、密接)を避けながらみんなで踊りを楽しもうと、長崎市の知的障害者のダンス教室「バタフライ」(約40人)が、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使ったレッスンを開いている。レッスン生はいつもの活動時間に、慣れた自宅で体を動かし、日常生活のリズムを保つよう取り組んでいる。
 教室は、障害のある子どもたちの余暇活動の選択の幅を広げようと1992年から活動し、現在は大人も参加。かとうフィーリングアートバレエ(同市)の川口花通江さん(55)が講師を務め、毎週土曜に同市茂里町のもりまちハートセンターでレッスンを開いている。
 コロナ感染予防のため4月第1週を最後に同センターでのレッスンを休止したが、毎週の活動がレッスン生の生活の一部になっていることから「休止が長引くとストレスがたまり、生活リズムを崩しかねない」(川口さん)と、第3週から、ズームを使って再開している。
 ズームレッスンは毎回、保護者のスマートフォンやパソコンを使って10人前後が参加。画面上に見知った顔が並ぶと、レッスン生は「お~い」「元気だった?」などと手を振りながら声を掛け合い、川口さんの体の動きをまねてダンスを楽しんでいる。
 「会えない状況でも諦めずに、解決策を探れば何とかなると実感している」と川口さん。「それでも全員が参加できるわけではないので、一日も早く元の教室に戻りたい」と新型コロナ収束を待ち望んでいる。

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