第8回「情狂」こんな白痴政権を支持する人間がいるという事実はコロナウイルスよりも遥かに恐ろしい

異次元の常識 text by ISHIYA(FORWARD / DEATH SIDE)

こんな白痴政権を支持する人間がいるという事実はコロナウイルスよりも遥かに恐ろしい

2020年4月現在での日本では、コロナウイルスの蔓延で緊急事態宣言が全国に出され、政府からは不要不急の外出を自粛してほしいと「要請」されている。

それまでの対策であった国民への給付案は、和牛券、お魚配布券に続き、各家庭に布製マスク2枚という体たらく。一世帯30万円給付というものもあったが、その給付へのプロセスは複雑な迷路をくぐり抜けた者だけが、ラスボスと戦い手に入れるような、給付とは程遠い内容の単なる打ち上げ花火であった。

現段階では10万円の一律給付案にまでなってはいるが、当初は外国人には給付しないというとんでもない内容の案だったが、和牛券から10万円一律給付までの道のりは、国民が声を上げ続けたからこそ実現したように、この国の政府は感染拡大を止める観点に立った方法を施行しない。

我々が納めた税金をまるで自分たちの金のように振る舞い、使い、国民の生命の危機を守ろうとしない政府が現在の安倍自民党政権なのだが、ここまでされてもまだ支持している人間がいるという驚くべき事実がある。こんな政権を維持させている日本国は、自らの首を締めて喜ぶ変態の寄せ集めなのか?

今回のコロナウイルスの対応により、政権の無能さと白痴があぶり出される結果となっているが、こんな白痴政権を支持する人間がいるという事実は、コロナウイルスよりも遥かに恐ろしい恐怖だということに、どうか気づいて欲しい。

日本ハードコア創世記の1980年代初頭、東京のハードコアシーンに一味違ったバンドがいた。その歌詞の内容は自虐的な内面をさらけ出した、詩的でありながら人間の情念が渦巻くような心の奥底にあるものであり、演奏力の高さと既存のハードコアとは違った激しさにより、熱狂的なファンが多かった奇形児である。

その奇形児の「情狂」という曲は1980年代の曲であるが、まるで今の安倍政権を維持させている人間たちを唄った曲であるかのような衝撃を受ける。

狂った情にすがりすべてが手遅れになる前に、頼むから気づいてくれ。

いつまでたっても気づかないのは 騙されることに馴れすぎたせいさ

既成のモラルに首をしめられて 身動き出来ずに落ちてく

許せないことを許さないと 言えない弱い虫ケラ

他人にもらったおしきせの愛に おしつぶされてく情婦さ

いつまでたっても気づかないのは 騙されることに馴れすぎたせいさ

冷たい仕打ちに身をユダネながら 生きてく意味を忘れる

お前の頭腐りかけてる

奇形児は1982年11月に東京で結成。現メンバーは、YASU(ボーカル)、HIROSHI(ギター)、福島誠二(ベース)、プロレタリアート本間(キーボード)。「情狂」は1985年9月にDucasseから発表された2nd EP『HELLO GOOD-BYE』に収録されたが、1994年1月にOKレコードから発表された初期の作品を集めたオムニバス盤『1982-1994』にも収録されている。

【ISHIYA プロフィール】ジャパニーズ・ハードコアパンク・バンド、DEATH SIDE / FORWARDのボーカリスト。35年以上のバンド活動歴と、10代から社会をドロップアウトした視点での執筆を行なうフリーライター。

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