オンラインで「ふるさと家庭教師」 困窮の大学生採用 自宅学習をサポート 佐世保・日本教育機構

日本教育機構の職員に見守られながらオンランで授業をする松尾さん(画面左)と生徒=佐世保市白南風町

 通信制高校などを運営する一般社団法人日本教育機構(佐世保市白南風町)は、新型コロナウイルスの影響でアルバイトができずに困窮している地元出身の大学生を講師として採用し、オンラインで中学生の自宅学習をサポートする「ふるさと家庭教師」の授業を始めた。
 同機構は同市の学習塾「智翔館」のグループ法人。同市などから都市部の大学へ進学した学生を支援しようと企画した。
 講師は大学2年生以上が対象。英語、数学、理科のいずれかを担当する。テレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、県内の中学生に宿題や勉強法などを教える。同機構の職員も授業の様子を見守る。
 学習指導料は、50分授業1回につき1100円。初回のみ同機構が講師登録経費として1100円を徴収するが、その後は、講師が全額を受け取る。
 県立佐世保北高出身で、13日に数学の授業を受け持った一橋大2年の松尾俊弥さん(19)は「東京で塾講師のバイトができなくなって困っていた。帰省もできない中、地元の存在を近くに感じる」と喜んだ。
 当面6月まで授業を続ける予定。ホームページで講師と生徒を募集している。同機構の直江弘明常務理事は「コロナ後の教育のあり方を模索する取り組みにしたい」と話している。問い合わせは同機構(電0956.23.7276)。

 


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