試練をチャンスに~自宅で戦う就活生の現実とは?~

試練をチャンスに~自宅で戦う就活生の現実とは?~

 4月の肌寒さからはうって変わって暑くなってまいりましたね~!

 大型連休も終わり、早くも5月中盤。
 就活生が猛暑のなか、汗をぬぐいながら就職活動に奮闘する時期ですね。

 去年の今頃、私も同じ立場でした。

 しかし、毎年溢れかえる黒髪スーツの学生たちをいま街中で見かけることはありません。

 彼らは今、自宅のパソコンの前で夢をつかもうと懸命に努力しています。

 今回は、そんな彼らの現状をチバテレ+プラス編集部がお伝えします!

 

 今年4月頃。新型コロナウイルス感染対策のため、多くの企業が従来の対面式面接ではなく、オンラインでの面接形式を導入しました。

 例年の形式から突如大きく変わった2021年卒学生の就職活動スタイル。

 新型コロナウイルスの影響が彼らに与える負担は計り知れません。

 突然始まったweb面接のデメリットとして、急な機材のトラブルや映り方、タイムラグによる会話の違和感などがあげられるようです。

 など、学生からの意見は様々でした。

 加えてグループディスカッションなどの集団面接もなくなったので、協調性をアピールできる場面も減ったと言います。

 web面接では、オンライン接続の良し悪しひとつが大きく印象を左右し、採用結果にも関わってくる。就活生にとっては大変な試練であると感じます。

 しかし、一方で大きなメリットがあるとの声も。

 同時に、「これまで幾分不利だと言われてきた遠方からの就活生の就活格差が解消され、いい意味で就活生みんなが平等な環境で就職活動を行えているのは、とてもいい変化だと思う」といったポジティブな意見が多く寄せられたことに、私自身感心したとともに、少しの驚きさえ感じました。

 彼らに、オンラインでの就活がはじまった当初の印象を聞くと、みんなそろって「不安」という言葉を口にしており、「対面ならもっとうまく思いを伝えられたのに…」とジレンマを経験した学生も多くいました。

 しかし彼らの多くは同じような言葉で最後を締めくくります。

「現状に嘆いていても仕方ない、大変なのは皆同じ、その中でどれだけ工夫できるか」

 社会人の私たちが考えるよりも数十倍、今の就活生は“強い”。
 素直にそう感じたとともに、彼らの順応性に感服しました。

 そんな彼らの中でよく話題にあがった、「オンライン面接でいい印象を残せるかも!?印象UPポイントBEST3」を聞いてみました!

 第三位「メモ」
 対面式では絶対に使えなかったメモを活用することで、逆質問の時の企業側の言葉をメモし、それを踏まえて話題を広げたりできるといいます。

 第二位「カメラの目線」
 自分の目線の高さにカメラを設置するのはもちろん、画面を見るのではなく、しっかりとカメラを見るのが鉄則。ある就活生の失敗談では、だいぶ下の位置からカメラを写してしまい、「ホラー映像のようだ」と面接官に笑われたとか…(笑)

 第一位「照明」
 照明抜きにオンライン面接は始められない!というほど強いこだわりを見せる学生が多くいました。YouTuberなどが使う円形の照明の人気があがっているとのこと。照明ひとつでやる気をアピールできるし、なによりとても“盛れる”といいます。

 そんな工夫を凝らしたうえで、彼らから企業側にいくつか要望もあがっています。

 「学生側からはなかなか何度も話を聞き返しづらいので、なるべくハキハキと大きな声で話して頂けると、ものすごく助かります。自分たちも、そこには一番気を付けるようにしています」

 「対面式のときのように、面接に入る直前に、人事の方などとオンラインでも話せる環境があると安心する」

 「面接官がいきなりパッ!と画面に現れるので、心の準備のために画面上でカウントダウンして頂けたら…(笑)」
 なんてユニークな意見も上がっていました。

 彼らにとって慣れない環境であるオンラインでの就活ですが、ある意味でこれは“チャンス”ともいえると思います。

 従来、就活といえば「採る採用側」と「採られる学生側」という関係性がある。例えば、企業に出向けば、その企業のルールの中で勝ち抜いていく必要があり、企業側が幾分有利な環境と言えました。学生にとっては完全なるアウェー戦です。

 しかし今の状況は違います。学生、企業の両者ともにホームで戦うことができる。こんな状況は企業も初めてでしょう。学生と企業がいい意味で平等になったのではと感じます。

 自宅で自らがリラックスできる環境を作りながら面接に臨むことができたり、オンライン上で様々な機能が使える分、その状況を最大限活用して頑張ってほしいと強く感じます。

 この逆境を耐え抜いた彼らは入社後にも必ず活躍できるはず。これからの日本を担う彼らの今後を、心から応援したいと思います。

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