1桁誤入力で予算成立 差額1億円、修正案を可決 二宮町謝罪

一般会計予算の計上ミスについて謝罪する村田邦子町長=二宮町議会

 神奈川県二宮町が2020年度一般会計当初予算で幼児教育無償化の事業費などの額を1桁誤って計上し、町議会も気付かないまま成立していたことが15日、分かった。歳入と歳出で計1億1千万円分の差額が生じ、財源が不足する事態となった。村田邦子町長は同日の町議会臨時会で「町長として責任を感じる。町民と議会に申し訳ない」と謝罪した。

 記載ミスは、幼児教育無償化で民間幼稚園4園に支払われる施設等利用費で起きた。パソコンのシステムで入力する際、事業費8406万9千円を846万9千円と誤った。国が2分の1を支払う負担金も4203万4千円とすべきところを403万4千円と記載した。

 4月に国への交付申請する際、誤りに気付いたという。いったんは誤った数字のまま申請せざるを得ず、「5月分の支払いで財源が不足する」(町担当者)という。

 町は14日の同臨時会に修正予算案を提出し、全会一致で可決された。財源不足は財政調整基金を切り崩し対応した上で、改めて国に交付申請の訂正も行う。

 町担当者は「チェックで見落とした。幼稚園側に影響がないように努めたい」と説明。野地洋正議長は「議会でもミスの検証をしていきたい」と話した。ある町議は「議会にも責任はあるが前代未聞のミス。町民へ説明をすべきだ」と憤った。

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