“多頭飼育崩壊”ネコ救え 長崎・大村で保護シェルター開設 クラウドファンディングで設備、改修費募る

ネコたちの保護シェルターを開設した田崎代表(中央)ら「ハッピーりぼん」のメンバー=大村市竹松本町

 飼育数が多すぎて適切な世話ができなくなる「多頭飼育崩壊」の状態にあったネコたちを救おうと、保護活動に取り組む「アニマルレスキューハッピーりぼん」(田崎直美代表)が、長崎県大村市竹松本町に保護シェルターを開設した。整備費などをクラウドファンディングで募っており、田崎代表は「ネコと里親希望者が触れ合える場にしたい」と話している。

 田崎代表らは昨年末、保護活動に取り組む人たちのネットワークを通じて、市内の個人宅で多頭飼育崩壊が発生しているとの情報を得た。現場では54匹のネコが手作りの小屋や窓の無いプレハブで飼われており、元の飼い主はすでに他界。引き継いだ親族も餌やりで精いっぱいだったという。
 衛生状態は悪く、中には失明したり皮膚病を患ったりしているネコもいたため、親族を説得し保護。今年初めに「アニマルレスキュー-」を立ち上げ、より細かい世話や譲渡会の開催ができる保護シェルターの開設に乗り出した。
 シェルターは2階建ての民家を借り上げ、これまでに引き取り手が見つかっていない約40匹を保護。6人のメンバーが交代でネコたちの世話に当たるほか、今後“ふれあい会”を開催し、里親につなげることを目指す。チャリティーグッズも販売し、活動資金に充てるという。
 今月初めには市を通じて申請した民間の動物基金を利用し、獣医師による避妊去勢手術も実施した。田崎代表は「まずは自分たちの目の前にいる命を守ってあげたい。終生かわいがってくれる里親につなげ、シェルターのネコをゼロにすることを目指す」と話した。
 クラウドファンディングは「レディーフォー」で募っており、防汚や逃走防止のための設備、トイレの改修に充てる。支援の申し出は田崎代表(電080.3789.3917)。

保護シェルターで獣医師から避妊手術を受けるネコ=大村市竹松本町

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