甲子園中止へ 長崎県内球児ら驚きと不安 高野連「前向きな形を模索」

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 「そんな話は聞いていない」「他競技もない中で野球だけとはならないだろう」「知恵を絞ってやれないか」-。中止の方向で検討されていることが分かった夏の全国高校野球選手権。県内の指導者や球児からも驚きと不安の声が続いた。

 中止になった春の選抜大会の出場を決めていた創成館の稙田龍生監督は「プレーと一緒で、常に最悪のことを考えながらやろうと言ってきたが、まだ決まっていないし何とも言えない。人として大きく成長できる時期かもしれないが、誰も経験したことがないし、何を言っても今はなかなか心に響かないと思う」と複雑な心境を吐露した。
 58年ぶりに昨秋の県大会を制して、地域とともに初の甲子園出場を目指している大崎の清水央彦監督は「開催可否がどう転んでも、選手たちにやりきった気持ちを与えてやれるかが大事になってくる」と教え子たちを思いやった。
 昨秋の県大会で4強入りして、高校通算28本塁打を記録している大村工の作本想真選手は「夏こそはと信じて一日を大切にやってきたから(今回の報道は)心がきつい」と残念な思いを口にした上で「まだ都会は練習すらできない選手もいる。できることに感謝してやっていく」と気丈に前を向いた。
 県高野連は20日に示される日本高野連の方針を受けて今後の対応を決める予定。黒江英樹理事長は「たとえ甲子園が中止になった場合も、感染状況を考慮しながら、代替大会を含めて前向きな形を模索したい」とコメントした。

 


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