外出自粛の救世主? サプリ需要増 食べ過ぎ飲み過ぎにコロナ疲れ

必須栄養素のサプリメント「ビタミンD」は前年同期比3倍以上の売り上げを記録した(ファンケル提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で外出自粛が求められる中、サプリメントの需要が伸びている。健康維持に欠かせない必須栄養素や抗ストレスの商品が人気で、売上高は前年を大きく上回る。栄養の偏りを解消したり、疲労を緩和したりする効果が期待されていることもあり、コロナ対策の最前線で闘う医療従事者に無償で提供する動きも出ている。

 ファンケル(横浜市中区)は、4月1日から23日までの通信販売におけるサプリの売り上げ動向を調査。その結果、感染対策、健康維持、抗ストレスを期待した消費行動が見られたという。

 感染対策では、必須栄養素のサプリを購入する消費者が多かったという。最も売り上げの伸びが顕著だった商品は「ビタミンD」で、前年同期比3倍以上を記録した。「ビタミンC」は7割増、「マルチビタミン&ミネラル」は5割増、「ハイグレードビタミン」も4割増の伸びで、同社は「必須栄養素を充足させて感染の対策をしようというニーズがうかがえる」と分析する。

 健康維持では、食べ過ぎや飲み過ぎを意識した動きがあるという。アルコールや生活習慣が気になる人向けの「牡蠣(かき)&ウコン たのもし」は前年比9割増、糖や脂肪の吸収を抑える「カロリミット」は5割増。自宅でお酒を飲んだり、食事したりする機会が増えたことが影響しているとみられる。

 「コロナ疲れ」も如実に表れている。精神的ストレスの緩和効果がある「ストレスケア」、睡眠の質を高める「快眠サポート」、目の疲労を和らげる「ブルーベリー ミエルネ」といった商品も一様に伸びており、同社は「長引く休校や在宅勤務にストレスを感じている人は少なくないのでは」と推測する。

 健康を不安視する声は、医療従事者からも多く上がっている。

 尿を解析し栄養改善に特化したサービスを提供するユカシカド(東京都渋谷区)は先月、医療従事者に尿検査キットとサプリを無償で提供する支援サービスを発表。希望者を募ったところ、「危険な状態の中で働いているストレスや不眠で肌荒れが続いている」「多忙になり栄養の偏りが出てきている」といった声が寄せられたという。

 同社は「医療従事者の負担、疲労、それに伴う免疫機能の低下による新たな健康被害の拡大も危惧されている」として、今月中にも医療機関へ商品を発送するという。

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