五十嵐亮太は現役最長23年目 ドラフト同世代で“最後の生き残り”となる選手は?

ヤクルト・五十嵐亮太【写真:荒川祐史】

球界最年長は福留、最年長投手は山井だが、最長キャリアは23年目の五十嵐

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開幕が延期となっているプロ野球の2020年シーズン。発出されていた緊急事態宣言が一部地域で解除され、徐々に経済活動の再開の動きが出てきている。プロ野球も6月中旬の開幕に向けた動きが報じられている。

波乱の年となっている2020年。その今季、球界最年長選手は阪神の福留孝介外野手で先日43歳となった。そして球界最年長投手は中日の山井大介投手。山井は5月10日に42歳となった。ただ、プロとしてのキャリアが最も長いのは、この2人ではない。今季の最長キャリア選手が誰か、ご存知だろうか? 今季でプロ23年目。1997年のドラフト指名組で最後の“生き残り”、それがヤクルトの五十嵐亮太投手である。

球界最年長となった福留はPL学園3年だった1995年に7球団競合の末に近鉄が1位指名しているが、入団を拒否して社会人の日本生命に進んだ。この時の“同期指名”には斉藤和巳(ダイエー1位)や荒木雅博(中日1位)、仁志敏久(巨人2位)や清水隆行(巨人3位)らがいた。

五十嵐はこの2年後、1997年のドラフト2位で敬愛学園からヤクルトに入団。3年目の1999年からリリーフ一筋で活躍。2010年にはMLBに挑戦し、メッツやブルージェイズ、ヤンキースでメジャー登板。2013年に日本球界に復帰してソフトバンクに加入した。昨季ヤクルトに復帰すると、リリーフとして45試合に登板して健在ぶりを証明し、今季も貴重な中継ぎ投手として期待されている。

五十嵐はプロ入りから822試合(日米通算では903試合)連続でリリーフ登板を続けており、これはプロ野球の歴史で初の記録。長いプロ野球の歴史でも岩瀬仁紀氏しか達成していない通算1000試合登板に、日米通算ではあるものの、残り97試合まで迫っている。

1999年のドラフト組は田中賢介が引退し、岩隈が“最後の1人”に

この五十嵐が入団した1997年のドラフトで指名された選手を見てみると、川上憲伸(中日1位)や高橋由伸(巨人1位)、永井智浩(ダイエー1位)、井川慶(阪神2位)、高須洋介(近鉄2位)、小林幹英(広島4位)、井端弘和(中日5位)らがいる。錚々たる顔ぶれの中で、五十嵐が最後の“現役選手”となっている。

1998年は“松坂世代”が高校3年生でドラフトで指名された年。この年は藤川球児(阪神1位)、松坂大輔(西武1位)、そして3年前に指名を拒否していた福留孝介(中日1位、現阪神)が現役を続けている。福留に7球団が競合した1995年のドラフトで指名された選手は全員が引退している。

1999年のドラフト組は昨季限りで日本ハム田中賢介(日本ハム2位)が現役を引退。昨季、台湾の味全でプレーしていた川崎宗則(ダイエー)は現在未所属となっている。NPBでプレーしているのは岩隈久志(近鉄5位、現巨人)ただ1人。岩隈が1999年世代最後の“生き残り”だ。

2000年は内川聖一(横浜1位、現ソフトバンク)、山崎勝己(ダイエー4位、現オリックス)、中島宏之(西武5位、現巨人)の3人が第一線でプレーし、2001年組になると細川亨(西武自由枠)、石川雅規(ヤクルト自由枠)、中村剛也(西武2位)、栗山巧(西武4位)、石原慶幸(広島4位)、山井大介(中日6位)、近藤一樹(近鉄7位、現ヤクルト)と7人が現役だ。

開幕が延期となり、難しい調整を強いられている選手たち。なかでもこうしたベテラン選手たちの調整はより一層の難しさとなるだろう。長らく球界を支えてきた名選手たちには、この困難を乗り越えて、これからも1年でも長くプロ野球を盛り上げていってほしいものだ。(Full-Count編集部)

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