【新型コロナ】神奈川県内公共スポーツ施設、休館長期化 根強い慎重な見方

利用禁止が続くなか、現在でも等々力陸上競技場は毎日のように芝の整備が行われている

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、公共スポーツ施設の休館が長期化している。神奈川県や相模原市は一律8月31日までの利用休止を決定。市民から早期再開を求める声は高まるものの、収束に至らぬ中での施設再開には慎重な見方も根強く、競技場に凱歌(がいか)が戻る日はいつになるのか。

◆県、相模原市 8月末まで

 県は4月上旬、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令を受け、県立施設を8月末まで休館すると発表した。

 「小刻みに延ばすと、予約のキャンセルなどの対応がある。そこに職員の労力をかけないことで、感染対策に総力を挙げて取り組むため」と県くらし安全防災局の担当者。早期収束を前提に前倒しにも含みを持たせるが、現時点では不透明な情勢だ。

 今月4日に緊急事態宣言の延長が決まると、相模原市も当初13日までとしていた期限を8月末まで延長。市スポーツ課は「屋外施設の一部再開を求める声は日に数件あるが、慎重にならざるを得ない」という。

 横浜スタジアム(横浜市中区)は横浜DeNAの自主練習で使用されているものの、一般利用は休止中。例年、高校野球神奈川大会で使用される球場の多くが5、6月いっぱいの休館となっている。

 今季22年ぶりに4チームがJ1にそろったサッカー界も、ピッチは閉ざされたままだ。

 等々力陸上競技場(川崎市中原区)、日産スタジアム(横浜市港北区)、ニッパツ三ツ沢球技場(同市神奈川区)はいずれも5月末までの休館。ShonanBMWスタジアム平塚(平塚市)は6月末までとなっている。

 平塚市の担当者は「6月からでも利用は難しいだろうという判断」としつつ、6月中にJリーグが再開される場合は使用を認める方針という。

 期限を区切らず「当分の間」の休止としている小田原市をはじめ、各自治体は国の見解や県の実施方針をにらみ、早期の施設再開を模索する。ただ、政府が14日に緊急事態宣言を解除した39県に神奈川は含まれなかった。今夏以降も各競技スケジュールに大きな影響が出そうだ。

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