「スパイの二面性に憧れる」KGB職員を演じたヘレン・ミレンが語る、ベッソン最新作『ANNA/アナ』

『ANNA/アナ』© 2020 SUMMIT ENTERTAINMENT,LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

リュック・ベッソン監督最新作にして、新たな最強ヒロインが誕生した話題作『ANNA/アナ』(2020年5月8日公開)から、主人公アナの実力を見出しサポートするKGB職員のオルガを演じるベテラン女優、ヘレン・ミレンのインタビューが到着! 変わらぬ美貌と落ち着いた威厳を感じさせるヘレンが、歴史上のスパイ、共演者、映画の見所を語る。

「スパイの二面性 ― 自分を分裂させる能力に憧れてしまうの」

スパイの世界にはいつも憧れを抱いているわ。史上屈指のスパイの中にはイギリス人も何人かいる。キム・フィルビー(※)や、その時代のスパイよ。彼らは裏にもうひとつ別の人生を持っていて、それをおくびにも出さずに表の人生を生きられた。結婚し子供をもうけても、謎に包まれた裏の顔を持ち続けることができたの。表の生活で接する人々は、裏の顔をまったく知らない。彼らの二面性というか、自分を分裂させる能力に憧れてしまうのね。

※キム・フィルビー:イギリス秘密情報部(MI6)に所属しながら、ソ連のNKVD(内務人民委員部:後のKGB)に協力していた二重スパイ

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―オルガとアナの出会いについて

私が演じるオルガは登場シーンから最後まで、ずっと不機嫌なの。ヒーターは効かないし、KGBには認められない。人生を捧げて尽くしているのにも関わらずよ。そんなオルガのもとに、スパイ志望の若い女性アナが来る。オルガにはアナに素質があるとは思えないのだけど、映画が進むにつれて素質があるどころか“並のレベルを超えている”ことに気づいていくの。

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物語の冒頭で アナは観客を勘違いさせる。アナはモデルにもなれるほど若く美しい女性よ。だけど、綺麗なバラにはトゲがある。アナは美しいだけでなく、とても頭が良くて有能なの。

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「私が演じるのはルークのボス役。『ワイルド・スピード』では母親だったけど(笑)」

―共演したルーク・エヴァンスについて

残念ながらルークとの時間は短かったわ。映画ではよくあるんだけど、実際に共演する時間は案外少ないの。今回の私の役は、彼のボスよ。『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017年)では母親役だったけど(笑)。

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―本作のロケ地について

パリで撮影したわ。パリのスタジオで、かなりのシーンを撮影した。プロダクション・デザインがすばらしかったわ。私の最初のシーンはモンソー公園(※)よ。最高のスタート地よね。

※モンソー公園:仏パリ8区にある公共の庭園

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―ストーリー進行について

幾重にも層が積み重ねられていて、とても複雑なの。物語の全体像をつかんで完全に理解できるのは、エンディングになってからよ。あちこちにヒントがあるけど、つながりが分からない。ジグソーパズルみたいに、最後のピースがはまって初めて全体像が分かるの。

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