石垣や町屋跡を発掘へ 県庁跡地調査きょう再開

 長崎県は18日、県庁跡地(長崎市江戸町)の埋蔵文化財調査に19日から着手すると発表した。試掘で遺跡の残存範囲や内容を確かめた昨年10月~今年1月の調査結果を受け、敷地南側(出島側)に埋まっていた石垣や、同じ南側の隣接地で見つかった町屋(商家)跡を発掘して全容を調べる。10月下旬までの予定。
 同跡地には16世紀後半の長崎開港後、キリスト教の拠点「岬の教会」が建ち、江戸時代初期の禁教後は長崎奉行所などが置かれた。長崎市が文化芸術ホール建設を計画していたが、1月までの調査で敷地西側から江戸期前半の長崎奉行所の遺構などが見つかり、建設を断念した経緯がある。
 県教委学芸文化課によると、準備工事を経て6月下旬~8月下旬に石垣部分(2カ所)を、8月下旬~10月下旬に町屋部分を発掘する計画。調査面積は計1296平方メートル。時機を見て現場を公開する。西側の奉行所遺構については、10月以降の調査を検討している。

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