新型コロナ関連破たん 函館で飲食複合施設「五稜郭ガーデン」運営の(株)まちづくり五稜郭が破産申請へ

   (株)まちづくり五稜郭(TSR企業コード:062052977、法人番号:5440001007053、函館市本町9-17、設立2012(平成24)年7月、資本金1850万円、久保一夫社長)は5月18日、事業を停止し、破産手続きを堀田剛史弁護士(堀田法律事務所、同市新川町23-1、電話0138-22-3210)に一任した。
 負債総額は債権者40名に対して1億5160万円。

   函館市五稜郭エリアの活性化と発展を目的に地元企業などの出資を得て設立。2015年10月23日に国の中心市街地活性化事業補助金と金融機関からの支援により総事業費2億円をかけ、函館市本町に飲食店複合施設「五稜郭ガーデン」を開業した。五稜郭ガーデンは最大24店舗のテナント収容を可能としていたが、立地条件の悪さや高額な保証金などが支障となり、開業当初から想定していたテナント数を確保できず、厳しい運営が続いていた。
 2018年9月には再建のためにTV番組「マネーの虎」で一躍有名となった小林敬氏を招へい。飲食店運営に乗り出し、話題を集めたが業況は好転せず連続赤字を計上し、金融機関への返済延滞、地代家賃も長期間にわたる滞納が続いていた。
 2019年3月期は売上高が約2800万円にとどまり、同期時点で債務超過額は約6500万円まで拡大。中央スペースでのイベント開催などで集客を図っていたものの、ここにきて新型コロナウイルス感染拡大による売上激減がダメージとなって資金繰りに行き詰まり、今回の措置となった。

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