「人事案件で法解釈変更に周知必要ない」?・・

 菅義偉官房長官は19日の記者会見で、検察幹部の定年延長を内閣の判断でできる条項を盛り込んだ検察庁法改正案の成立が今国会見送りになったものの、東京高検検事長の黒川弘務氏が検事総長になる可能性は残っている。検察庁法改正案見送りは黒川氏の検事総長就任に影響するのか、との記者団の問いに「まったく影響ない」と語った。

 また、本来、1月に定年退官することになっていた黒川氏を、法解釈を変更し、閣議決定で定年延長させている状況にあることから、記者団が、行政府が法解釈を変更した場合、国民に影響が及ぶ可能性がある以上、国会や国民に周知の必要があるのではないか、と質したのには「法令の解釈変更に関して国民生活などの影響を踏まえ、必要において周知が行われることがあるが、一概に答えることはできない」とした。

 このため、記者団が検察庁法の法解釈の変更に関して周知がなかったが、それはどうかと質したのには「検察官の人事制度に関わる事で、周知の必要はなかったと考える」と答えた。しかし、総理を捜査、逮捕できる検察官に対する重要な法規定の検察庁法に関し、法解釈の変更を人事の範囲として扱い「周知の必要がない」としたことには疑問符がつきそう。(編集担当:森高龍二)

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