MTよりもATが売れた珍しいスポーツモデル FTO
ギャランFTOから数えると2代目にあたる三菱 FTOは、ワイド・アンド・ローの2ドアノッチバッククーペスタイル。日本車離れした塊感のある個性的なスタイリングが大きな魅力で、室内は決して広くないものの1995年には、年間2万台以上のセールスを記録する。
MIVECとネーミングされた可変バルブタイミング・リフト機構を持つV型6気筒 2000ccエンジンは、最高出力200馬力を発生。当時1リッターあたり100馬力以上の出力を発生させることは、高性能エンジンと評価される基準の一つだ。
組み合わされるトランスミッションは5速MTをはじめ、日本初マニュアルモード付きAT(INVECS-II)をラインナップし、高回転まで許容するATは、ポルシェのティプトロニックよりも扱いやすいと高い評価を得た。
MTよりも多く出回ったATモデルは、デビュー当初4速だったが、マイナーチェンジで5速化。駆動方式は前輪駆動のみで、前輪駆動のわりに旋回能力が高いため、運転がしやすく取り回しにも苦労しなかった。
モータースポーツから電気自動車にまで発展
三菱 FTOは、モータースポーツでも活躍。現在のSUPER GTである全日本GT選手権(JGTC)GT300クラスにおいて、1998年に総合5位、1999年に総合6位を獲得している。
さらに、FTOをベースとした「FTO-EV」を1998年に製作。最高出力70kWのモーターを搭載し、1回の充電で走れる距離は市街地で150km前後、最高速度は186km/hをマーク。当時、公道走行可能な電気自動車としては最速だった。FTO-EVで得た知見は「MiEV」シリーズに活かされている。
スペックや価格
■全長×全幅×全高:4,320mm×1,735mm×1,300mm
■エンジン
・V型6気筒 2000cc MIVEC 6A12型(200馬力)
・V型6気筒 2000cc 6A12型(170馬力)
・直列4気筒 1800cc 4G93型(125馬力)
■トランスミッション:4速AT/5速AT/5速MT
■駆動方式:前輪駆動
■価格:166万円~239万7000円(1994年式)
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