欧州宇宙機関が宇宙開発シム「KSP」とコラボ、探査ミッションを再現

ESAのロゴがあしらわれたスーツを着たKSPのキャラクターたち(Credit: Squad/Private Division)

欧州宇宙機関(ESA)とPrivate Divisionは5月18日、Squadが制作するPC/PS4/Xbox One向けの宇宙開発シミュレーションゲーム「Kerbal Space Program」(以下「KSP」)の次期アップデートにESAのロケットと宇宙探査ミッションが含まれることを発表しました。

■アリアン5ロケットを作成できるパーツと2つの宇宙探査シナリオを提供

ESAの発表によると、KSPの次期アップデート「Shared Horizons」(PC版は2020年7月1日に配信予定)では、アリアン5ロケットのエンジンやタンクといったパーツ、ESA仕様の宇宙服などが追加される模様です。プレイヤーはゲーム内でアリアン5ロケットを再現したり、あるいはアリアン5のパーツを利用したオリジナルのロケットを作成したりすることが可能になります。

また、KSPのゲームモードのひとつである「シナリオ」向けに、ESAの2つの宇宙探査ミッションをもとにしたシナリオが追加されることも発表されています。1つ目は2025年12月の水星周回軌道投入を目指すESAとJAXA(宇宙航空研究開発機構)の共同ミッション「ベピ・コロンボ(BepiColombo)」で、現実の水星を模したゲーム内の惑星「Moho(モーホー)」での軌道投入や着陸を行うことになるようです。

2つ目は2014年から2016年にかけてチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/Churyumov-Gerasimenko)を観測した彗星探査機「ロゼッタ」です。これまでKSPには惑星・衛星・小惑星はあったものの彗星は登場していませんでしたが、KSPの公式Twitterアカウントによると「Shared Horizons」の提供にあわせて彗星が追加される模様です。なお、ベピ・コロンボとロゼッタはいずれもアリアン5によって探査機が打ち上げられています。

ESAのGünther Hasinger氏によると、KSPはESAのエンジニアや科学者にとってもおなじみのゲームだとのこと。同ゲームのファンには見逃せない次期アップデートについて、機会があればsoraeでも紹介させていただきたいと思います。

ゲーム内で再現できるようになるというアリアン5ロケット(Credit: ESA–Stephane Corvaja, 2016)

関連:宇宙開発シム「Kerbal Space Program」に惑星探査とロボティクスの要素を追加する新DLCが登場!

Image Credit: Squad/Private Division
Source: ESA
文/松村武宏

© 株式会社sorae