カージナルス・金廣鉉 異例のメジャー1年目に適応中

今年からカージナルスに加わった金廣鉉(キム・グァンヒョン)は、自身のメジャー1年目がこのようなシーズンになるとは想像していなかったはずだ。オープン戦で好投し、先発ローテーションの一員として開幕を迎える予定だったが、新型コロナウイルスの影響によりシーズン開幕の見通しが立たない状況が続いている。しかし、キムはセントルイスにキャッチボールのパートナーがいることに感謝しているという。

球界の動きがストップしたことにより、キムと通訳のクレイグ・チョイは異例の状況のなかで不慣れな生活を強いられている。キャンプ施設を離れたあと、2人はセントルイスのマンションへ移り、世界的なパンデミックのなかで新たな街での生活に適応中だ。チョイは「困難な状況にいるのは自分たちだけではありません。医療スタッフのような他の人々も大変な時間を過ごしています」とネガティブな感情を持たないように努めている。

現在キムは週1回のブルペン・セッションを含めて投球練習を週5回行い、スプリント・ランニングにも週2回のペースで取り組んでいる。また、マイク・シルト監督やマイク・マダックス投手コーチとも定期的に連絡を取っているようだ。

さらに、シーズン開幕に向けてできる限りの準備をしておきたいと考え、同僚のアダム・ウェインライトにアドバイスを求めたという。キムは「本拠地と敵地でスタジアムの形状や風向きがピッチングにどんな影響を与えるか知りたかったんだ。ウェイノ(=ウェインライトの愛称)はとても勤勉な男だから、現在のような時期でもコンディションを維持する方法を知っている」とベテラン右腕への信頼を口にした。

キムとチョイは、開幕延期によって生まれた時間を利用してミズーリ州の運転免許の試験に合格した。また、ゲームや映画でリラックスしているほか、ニュースを見て球界の最新の動向をチェックしているという。ただし、古巣のSKワイバーンズが1勝10敗と低迷しているため、韓国プロ野球の情報をチェックすることには乗り気でないようだ。

当初は韓国に戻ることも考えたというが、球界の動きが再開したときにアメリカへの入国が困難になる可能性があったため断念。また、オールスター・ブレイクには家族がアメリカにやってくる予定だったが、それも実現しない可能性が高い。現在は毎日ビデオ通話で家族と連絡を取っており、キムは「寂しいけれど、みんなが無事でいてくれるのは良かった。彼らと話すのはとても楽しいよ」と語った。

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