相模原市の区画整理不正、土地評価操作で職員処分 退職者にも給与返納要請へ

 相模原市の土地区画整理事業を巡り土地評価基準が不正に操作されていた問題で、市は20日、不正に関与したとして職員5人を懲戒処分にした。既に退職している元局長ら5人の責任も認め、在職時に支払われた給与から処分相当額の自主返納を求める方針を示した。市の調査に全員が事実関係を認めているという。

 問題があったのは、同市南区で進む「麻溝台・新磯野第1整備地区区画整理事業」。一部の土地の評価基準や地目が不正に変更されていたことが2019年11月に発覚した。

 市によると、正式な手続きを経ずに仮換地指定を行ったとして、事業を所管する麻溝台・新磯野地区整備事務所の元所長(58)を停職3カ月、元総括副主幹(45)を停職1カ月とした。地目の不正変更などに関わったとして、元担当課長(52)と元主任(40)の2人を減給3カ月(10分の1)、元主査(49)を減給1カ月(10分の1)とした。

 地方公務員法で処分対象外となる退職者の責任も追及。職員へのパワーハラスメントなどが認定されている別の元所長(59)は停職6カ月相当、管理監督を怠ったとして元都市建設局長(64)や元まちづくり事業部長(65)ら計4人は減給1カ月(10分の1)相当の処分が妥当とした。

 一連の不祥事の責任を取り、本村賢太郎市長は減給3カ月(10分の3)、3人の副市長も減給1~3カ月(10分の1~10分の3)とする。

 当時市長だった加山俊夫氏の責任について、本村市長は会見で「(関与を示す)具体的な事実関係を把握できなかった」としつつも、「道義的責任がないとはいえない」と述べた。

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