長崎県交付の被爆者手帳 所持者1万人割る

 長崎県が交付した被爆者健康手帳の所持者(被爆者)数が3月末現在、9871人(男性3745、女性6126)と前年同期から749人減り、初めて1万人を割ったことが20日、分かった。長崎市が交付した手帳の所持者数は前年同期比1679人減の2万5726人。計3万5597人で、県と同市の交付を合わせるとピークだった1978年度末の11万716人(県2万9922、同市8万794)に比べ7割近く減った格好だ。
 平均年齢は県交付分が83.76歳。同市交付分が83歳。前年同期と比べ県交付分は0.58歳、同市交付分は0.65歳、それぞれ上昇した。原爆投下から8月で75年となる中、被爆者の減少と高齢化が進んでいる現状があらためて浮き彫りになった。
 被爆者健康手帳の交付は57年度、旧原爆医療法の施行で始まった。被爆地の長崎、広島両市と各都道府県が申請に基づき、審査を経て交付している。本県の場合、同市は市内在住者など、県は同市以外の県内在住者などが対象。交付されれば、医療費や健康管理手当などが支給される。転出した場合、交付自治体が切り替わる。
 長崎市によると、同市交付分の内訳は男性9189人(平均年齢81.34歳)、女性1万6537人(同83.91歳)。厚生労働省によると、全国の所持者数は2018年度末で14万5844人。

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