積水ハウス、新型コロナで1Qは19%の受注減

積水ハウス(大阪市)は5月21日、新型コロナウイルス感染症の影響について発表した。住宅事業での第1四半期での受注減少が今期(2021年1月期)第3四半期以降の売上高・利益への影響への懸念があるとした。

戸建て住宅・賃貸住宅・リフォーム・分譲住宅については、ウェブ会議システムを用いてプラン提案や打ち合わせを行っているが、緊急事態宣言と休業要請に伴う住宅展示場閉鎖などで接客機会が減少。マンションを含めた2~4月の受注は前年同期比19%減で、戸建てと賃貸住宅(RC造除く)は共に20%減、分譲住宅は9%減、マンションは3%増、リフォームは25%減となっており、第3四半期以降に影響が出る可能性があるという。展示場は5月14日に緊急事態措置が解除された39県は再開もしくはそれに向け準備を進めており、21日に解除となる京都府、大阪府、兵庫県も近く再開できる見通しとなっている。

賃貸管理など不動産フィー事業は高入居率を維持し、一部入居者から賃料支払いの相談があるものの影響はあまりないとみている。マンション事業はモデルルームの閉鎖があるが、今期計上分はすでに契約済み物件の引き渡しを前提としており、影響はあまりない模様。都市再開発事業は4月に積水ハウス・リート投資法人に、ホテルのザ・リッツ・カールトン京都(京都市)の準共有持分9%を43億2000万円で売却した。他物件の売却も交渉を進めている。

海外では米国は新型コロナのための外出制限により住宅・宅地販売の受注活動が難しい他、入居者退去や募集に影響があり、投資家マインドの低下から開発した賃貸住宅の販売を懸念しているという。一方で豪州は契約済みマンションの引き渡しが順調であれば影響は少なく、中国も今期は契約済み物件の引き渡しを前提とした計画で、引き渡しが進めば問題は大きくならない見通しとなっている。

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