甲子園中止で球児の“救済案”はあるか? 鷹・和田が“私案”「1時間でもいいから甲子園に」

ソフトバンク・和田毅【写真:藤浦一都】

プロアマ関係の改善も望む和田「プロアマの垣根が雪解けする機会に」

戦後初めて中止が決まった夏の全国高等学校野球選手権大会。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、20日に行われた日本高野連の運営委員会と理事会で正式に決定し、夏の甲子園が行われないこととなった。

高校総体など様々なスポーツ、文化イベントも中止となっている。野球に限らず、様々なことに打ち込んできた高校3年生にとっては、その集大成として努力の成果を発揮する場が無くなってしまうことになった。

野球界ではこの甲子園中止に伴い、球児たちの“救済案”や甲子園の“代替案”などが早くも語られている。これからもまた様々な意見や案が語られていくことになるだろう。そんな中で、自身も浜田高時代に甲子園に出場したソフトバンクの和田毅投手も「個人的な考え」として、球児のための“救済案”を披露した。

自身の経験からも「甲子園は特別な場所」と語る和田。ここまでの2年半、努力してきた球児たちには、何とか聖地に立つ機会を与えたいと考える。そこで語ったのが以下のようなプランだった。

「2年半頑張ってきて、最後の大会をやらせてあげられるのであればいいな」

「地方大会が全国で開催されれば、優勝チームに1時間でもいいので、甲子園という場所で過ごさせてあげたい、キャッチボールをするのでもいい、記念撮影でもいい、土を持って帰るのもいい、優勝したんだという思い出が作れればいいと思う。移動の問題とかはあると思いますけど、試合はないにしろ甲子園で卒部式をやってもいいし、甲子園は特別な場所ですし、高校で辞める子もいるので何かしてあげたい」

各都道府県で地方開催を開催し、その優勝校には甲子園への“切符”を与える、というもの。全国大会は開催されなくとも、各都道府県で優勝した高校の球児たちに甲子園での時間を提供してあげられないか、というものだ。

そして、やはり球児たちの最後の大会として、各地方大会は開催してあげてほしいという思いは和田も同じ。前述の私案とともに「地方大会が甲子園を目指す、甲子園にいけるというのは何かしらの形で守られると思う。2年半頑張ってきて、最後の大会をやらせてあげられるのであればいいなと思います」と語る。形は違えど、甲子園を目指す“高校生活最後の戦いの場”は作ってあげてほしいと願う。

現状で各地方大会の開催については、各都道府県の高野連によって対応はまちまちのよう。それには新型コロナウイルスの感染の拡大状況や財政的な問題もあるため一筋縄ではいかないだろう。その上で和田は「選手会が地方大会開催への寄付を考えているというのを見ました。これを機会にプロアマの垣根が雪解けして、緩和される機会になったらいい。何かしらプロ野球界として協力できるものはしたい」と語っていた。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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