「YOSAKOIさせぼ祭り」 1年延期 代替案も今後模索

昨年の「YOSAKOIさせぼ祭り」で演舞を披露する出場チーム=2019年10月

 西日本最大級のよさこいイベント「YOSAKOIさせぼ祭り」について、佐世保市の実行委員会は21日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年の開催(第23回)を2021年の10月22~24日に1年延期すると発表した。延期は1998年の開始以来初めて。
 本田英樹実行委員長らが市役所で会見。委員長は「新型コロナの第2波、第3波が懸念される中、チームと観客、スタッフの安全確保が難しい。チームも稽古ができていない」と理由を説明した。昨年出場した170チームへのアンケートでも「開催しないでほしい」との意見が多かったという。
 実行委は今後、新型コロナの状況を見ながら代替イベントの設定を模索。動画投稿サイト「ユーチューブ」による情報発信も構想している。本田委員長は「延期で生まれた時間を使い、よさこいをより発展させていきたい」と述べた。
 会見ではジャパネットたかたの創業者で、イベントの審査委員長を務める高田明氏もテレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を通じ「辛さに負けず希望を持ちながら頑張ってほしい」と激励した。
 「YOSAKOIさせぼ祭り」は98年にスタート。第1回から参加し、過去2回の大賞受賞経験がある佐世保市の「あっぱれ青組」のチームリーダー、海田明夢さん(29)は「子どもの頃から参加しており、させぼ祭りは自分の体の一部のようなもの。1人の踊り子としてはとても悔しく、心に穴が空いたような気持ちだ」と心境を明かす。
 長崎大のチーム「突風」の代表を務める同大3年、原口太志さん(20)は延期に理解を示しつつ「4年生にとっては今回が最後。もし可能になれば、何らかの形で一緒に踊る機会がほしい」と話した。

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