いつからゾンビは全力疾走するようになったのか?『大学で学ぶゾンビ学~人はなぜゾンビに惹かれるのか~』好評発売中!

人々は何をもって「ゾンビ」としているのか。 ゾンビを研究して何がわかるのか。 ゾンビの歴史の始まりはヴードゥー教にある。 そこから金字塔的ゾンビ映画、 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が登場し、 昨今の『ワールド・ウォーZ』までさまざまなゾンビ映画が作られている。 映画だけでなく、 マンガ、 アニメ、 ドラマ、 小説ゲーム、 ハロウィン、 町おこしなど「ゾンビ」という存在は人々を惹きつけてきた。 特にここ数年は、 『ワールド・ウォーZ』、 『カメラを止めるな!』、 『屍人荘の殺人』、 『ゾンビランドサガ』など、 ゾンビコンテンツの大ヒットが続き、 ハロウィンともなれば街はゾンビメイクの人々で溢れるのは印象的である。

そもそも「ゾンビ」とは何か。 映画、 ゲームなどのコンテンツでどのように発展してきたか。 いつからゾンビは全力疾走するようになったのか。 『⻤滅の刃』はゾンビものなのか。 日本独特の「カワイイ」文化に取り込まれたゾンビや、 ゾンビでの町おこしなど、 本書はあらゆる角度からゾンビを分析する、 ゾンビ総合研究書である。 深遠なるメディアコンテンツ学の世界へ読者の皆様を誘う。

著者の岡本健氏は近畿大学にて「現代文化論」、 同志社女子大学にて「メディア社会学」でゾンビ学を講義。 近畿大学の2019年講義は履修希望者が殺到し、 授業数を急遽増やしたほど。『週刊少年ジャンプ』(発行・発売:集英社)にて連載されていた、 まさに今、 巷で話題となっているコミック『⻤ 滅の刃』(吾峠 呼世晴著)をはじめ、 実写映画化もされた『進撃の巨人』(諫山 創 著・講談社刊)、 『東京喰種-トーキョーグール-』(石田スイ 著・集英社刊)、 『亜人』(桜井画門 著・講談社刊)などの人気コンテンツには、 ある共通した構図がもちいられていると著者は本書内で分析する。

主な構成内容

第一章 「ゾンビ」とは何か

1 ゾンビという字を辞書で引いたら

2 先行研究の収集と整理

3 芋づる式に知識を得ていく

4 現実のゾンビ

5 虚構のゾンビ

6 概念のゾンビ

7 ゾンビ研究の「位置づけ」とは?

8 さまざまなメディアのゾンビをどのように見ていくか

第二章 映画で見るゾンビの歴史

1.ゾンビ映画の数の推移 ―こんなに多いゾンビ映画

2.ヴードゥー・ゾンビ ―異文化としてのゾンビ

3.モンスターと宇宙 ―ゾンビと科学の出会い

4.人食いゾンビの発明 ―ジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』

5.ゾンビの夜明け ―リビングデッドはショッピングモールの夢を見るか

6.他メディアへの波及 ―プロモーションビデオとデジタルゲーム

7.二〇〇〇年代のゾンビ・バブル ―「ウイルス」&「ダッシュ」

第三章 ゾンビのグローバル化、 マルチメディア化

1.世界をまたにかけるゾンビ映画 ―『ワールド・ウォーZ』

2.ところ変わればゾンビも変わる ―進む国際化と多様化―

3.ゾンビとゲーム ―デジタルゲームとアナログゲーム―

4.スマートフォンとゾンビ ―広大なネットをさまよう―

5.価値観の感染爆発(パンデミック) ―「他者」とのかかわりを考える―

第四章 日本のゾンビ文化考

1 日本のゾンビ映画 ―『バトルガール』から『屍人荘の殺人』まで―

2 邦題のえじき ―映画宣伝の面白さ―

3 ゾンビ漫画の世界 ―バラエティ豊かなラインナップ―

4.ポップでかわいい、 萌えるゾンビ ―『ハローキティ ゾンビフレンズ』『さんかれあ』

5 地域はゾンビで甦る? ―『ゾンビランドサガ』と「横川ゾンビナイト」

第五章 なぜ人々はゾンビに惹かれるのか

1.「だらしなさ」から来る「自由さ」 ―バカバカしさの中に創造性あり―

2.ゾンビは人間自身を見つめなおさせる―

3.ゾンビは自分や大切な人がそうなるかもしれないものでもある―

4.ゾンビは他者との関係を考えさせる―

5.これもゾンビですか? ―『鬼滅の刃』をゾンビ学で読む―

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