新型コロナウイルス感染症の拡大で学校の入学や始業時期を9月に移す「9月入学」に関する議論に注目が集まっています。
今回は各党での議論や提言内容、選挙ドットコムが収集している国会議員・知事・政令市長のTwitterアカウントでの「9月入学」に対するコメントなどをまとめました。
【調査概要】
対象:国会議員・都道府県知事・政令市の市長のうちTwitterアカウントを保有する方の全アカウントのツイート
期間:4月1日~5月22日に投稿されたツイート
首長による発信をきっかけに本格的な注目が
「9月入学」を巡り国会議員のTwitterでの言及が盛んになり始めたのは4月中旬からでした。
(Google Trends 検索キーワード「9月入学」の検索インタレストの推移)
Googleの検索トレンドで「9月入学」が急上昇した4月下旬には、萩生田光一文科相が9月入学を「一つの選択肢として検討している」旨の発言や、小池百合子東京都知事や吉村洋文大阪府知事の発信で更に注目を集めるようになりました。
一方で知事・政令市長の立場でも9月入学に慎重な意見や賛成であってもすぐには難しい、といった発信も多くありました。
国会議員:与党内でも意見に微妙な違いが?
国会議員の間でも9月入学に対しては立場の違いが与野党の関係なくあるようです。
自民党
上のツイートのように自民党内でも9月入学に対して肯定的なツイートをしている議員も見られますが、慎重な意見の発信もあります。
公明党
自民党と同じく与党の公明党では自民党の議員ほど賛否を明らかにはしていませんが、今すべきは現状と課題に関する議論と新型コロナウイルスの収束に注力すること、という立場での発信が多くみられます。
このように与党内では9月入学に対してやや慎重な意見が多いようですが積極的な議員もいることがわかります。
野党は党ごとに発信の度合い・意見に違いが
次に野党の国会議員の発信を見てみましょう。野党では党によって「9月入学」に対して発信の程度や意見に大きな違いが見受けられます。
立憲民主党
立憲民主党の議員のツイートでは肯定的な意見から「議論をすべき」、「『9月入学でグローバル化』には根拠がない」など様々な意見があります。
国民民主党
国民民主党の議員のツイートでは党として提言を行う・他党にも提案するなど他の党と比較すると積極的な姿勢が見受けられます。
社民党
国会で統一会派を組む立憲民主党・国民民主党・社民党の議員のツイートでも「9月入学」に対して積極的な声や「議論はすべき」といった声、あるいは導入を図る立場への反論など、様々な意見があることがわかります。
日本維新の会
吉村洋文大阪府知事や松井一郎大阪市長が「9月入学」に積極的ですが、両氏の日本維新の会の国会議員のツイートも同様に積極的な姿勢があらわれています。
共産党
共産党の国会議員は「9月入学」についてのツイートが多くありませんが、両氏のツイートでは慎重な姿勢が見て取れます。
政党ごとの「9月入学」に関するツイート数 国民民主が数で突出
最後に政党別に「9月入学」を含むツイートの数を比較してみましょう。上記の図は4月1日~5月22日に投稿された「9月入学」の単語を含むツイートの数ですが、国民民主党が他と比べて突出していることがわかります。自民党・公明党のツイートの合計よりも多くツイートしており、「9月入学」に関する情報発信に力を入れていると考えられます。
国会議員や知事・政令市長のツイートを比較したところ、与野党や国会議員か首長かの違いに関係なく「9月入学」には様々な立場の政治家がいるといえます。今後も選挙ドットコムでは国会議員や政治家のネット発信を分析していきます。