【新型コロナ】苦境の学生を食料支援 横浜市社協「ヨコ寄付」

横浜市社協が無償で提供した食材を示す大学生=横浜市中区の市健康福祉総合センター

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済的に困窮している学生を支援しようと、横浜市社会福祉協議会(同市中区)は22日、170人分の食材を用意し、1人暮らしの大学生や留学生らに無償配布した。寄付金を募るなどして10日分の米やインスタント食品、飲料などを調達。アルバイト先の休業長期化などで苦境にあえぐ学生たちのセーフティーネットとして、初めて実施した。

 市社協は「ヨコ寄付」と銘打ち、食に困っている市内の若者らを支える寄付を募っている。今回の無償配布はこの募金で購入した食材に加え、フードバンクかながわ(同市金沢区)や企業から食材の寄付を受けて実現した。

 配布会場は市健康福祉総合センター(同市中区)。呼び掛けで集まった学生たちは学生証で本人確認した後、それぞれ食材が入った手提げ袋を受け取っていた。

 横浜国立大3年の女子学生(20)は「塾講師とフードコートのアルバイト収入が減り、貯金を切り崩して生活費に充てている状態。米は助かる」。神奈川大3年の男子学生(20)も「アルバイト収入が4月からゼロになった。食品提供は正直うれしい」と話した。関東学院大3年の女子学生(20)は「パソコンがないのでオンライン授業が大変」と打ち明け、早期収束を願っていた。

 市社協の若林拓担当課長は「定員を大幅に上回る申し込みがあり、今回は約80人に届けることができなかった。生活に困る学生が相当多いと実感した」と話し、支援を強化する考えを示した。6月には横浜国立大で学生向けに食材を提供する予定で、各大学との間でも調整を進めるとしている。

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