「これがあのマスクか…」 アベノマスク、長崎でも配布開始

マスクを郵便受けに入れる配達員=長崎市内

 新型コロナウイルスの感染対策のため、政府が全世帯に配布を決めた布マスクの長崎県内第1陣の配達が23日、長崎市内で始まった。日本郵便九州支社によると、県内全世帯に配る予定だが、23日までに国からマスクが届いたのは長崎中央郵便局だけで、5万8千戸分。他の市町に届く時期は分からないという。
 政府は布マスク配布に対し巨額の経費を投入。安倍晋三首相の肝いりといわれ「アベノマスク」ともやゆされている。九州全域では約630万戸に2枚一組のマスクを郵便局が届ける。
 長崎中央郵便局では23日、配達員が市中心部から各世帯に配り始めた。江藤治第一集配営業部長は「緊急事態宣言は解除されたが、引き続き感染防止対策でマスクは必要。郵便局に到着した分は順次、確実に届けたい」と話した。
 この日、マスクを受け取った長崎市内の女性(71)は「朝、郵便受けに入っていて、これがあのマスクかと驚いた。着くのが遅すぎ。もう市内で簡単にマスクが手に入る。掛けたお金を、もっと困っている人のために使ってほしかった」と釈然としない表情だった。


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