新型宇宙船クルー・ドラゴンの有人テスト飛行、28日の打ち上げに向け準備が進む

ケネディ宇宙センターの第39A発射台に設置される、クルー・ドラゴンを搭載したファルコン9ロケット(Credit: NASA/Bill Ingalls)

日本時間5月28日5時33分に、スペースXの新型宇宙船「クルー・ドラゴン」による有人テスト飛行「Demo-2」の打ち上げが実施される予定です。打ち上げまで1週間を切ったケネディ宇宙センターには搭乗する2人の宇宙飛行士も到着し、当日に向けて準備が整いつつあります。

■アメリカの宇宙船としてはスペースシャトル以来9年ぶりとなる有人飛行

22日に実施されたスタティック・ファイア・テストではファルコン9のエンジンが実際に点火され、7秒間に渡り稼働した(Credit: NASA/Bill Ingalls)

現地時間5月21日、Demo-2に使用される機体を載せたファルコン9ロケットがケネディ宇宙センターの第39A発射台に設置され、翌22日には打ち上げ直前のリハーサルにあたるスタティック・ファイア・テストが実施されました。この発射台はアポロ11号をはじめとしたサターンVロケットやスペースシャトルの打ち上げに使用されてきた歴史ある設備で、現在はスペースXがファルコン9やファルコン・ヘビーの打ち上げに使用しています。

スタティック・ファイア・テストに先立つ現地時間5月20日には、Demo-2にてクルー・ドラゴンに搭乗する宇宙飛行士Robert Behnken(ロバート・ベンケン)氏Douglas Hurley(ダグラス・ハーリー)氏の2名がケネディ宇宙センターに到着しています。

ケネディ宇宙センターに到着したロバート・ベンケン宇宙飛行士(左)とダグラス・ハーリー宇宙飛行士(右)(Credit: NASA/Bill Ingalls)

NASAは今回のミッションを「Launch America」と題し、アメリカから飛び立つアメリカ製宇宙船の復活を強くアピール。当日はNASA TVなどでのライブ中継も予定されています。無事に打ち上げが実施された場合、クルー・ドラゴンは日本時間5月29日0時29分に国際宇宙ステーション(ISS)へとドッキングする予定です。

なお、Demo-2のミッション終了後にはクルー・ドラゴンの本格的な運用が始まりますが、その運用初号機にはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の野口聡一宇宙飛行士がミッションスペシャリストとして搭乗することが決定しています。

関連:野口聡一宇宙飛行士「クルー・ドラゴン」運用初号機への搭乗が決定!

Image Credit: NASA/Bill Ingalls
Source: NASA
文/松村武宏

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