商品開発で活路開く 新松浦漁協水産加工場

「開発した新商品で逆境を乗り越えたい」と語る椎山さん=松浦市、新松浦漁協水産加工場

 水産業は松浦市の基幹産業。新松浦漁協水産加工場(同市調川町)は水揚げされるアジ、サバなどの鮮魚、トラフグなどの養殖魚を切り身やフライなどの加工食材にして出荷している。だが、新型コロナウイルス感染拡大で飲食店向けが停滞。加工業者は大量の在庫を抱えているのが現状。
 「4月以降の売り上げは通常の6割減。相場も下落している」。雇用を守るため、市の支援を受けながら取り組んでいるのが市場のニーズに沿った新商品づくり。魚料理は面倒と思われがちだが、電子レンジで温めるだけで食べられるトラフグの唐揚げやフライなどの揚げ物、タイの塩焼きやサバ、ブリの西京漬けなど焼き魚の“レンチンセット”を商品化した。
 外出自粛で家飲みが増えていることにも着目。ブリの刺し身やタコのぶつ切りなどを真空パックした酒の肴(さかな)セットなども開発。「新商品をふるさと納税の返礼品として順次登録し、インターネット販売にも力を入れていく」と語る。
 「新型コロナで受けた損害は大きいが、事業を見直す好機と捉えている。新商品を今後の主力商品に育てていきたい」と逆境にも前向きだ。

© 株式会社長崎新聞社