安全な完走が困難、参画者への安全確保のために参加断念
2007年から13年連続で参戦しているニュル24時間レースは、TGRが目指す「もっといいクルマづくり」の活動の原点。2020年も、トヨタ自動車の社員メカニック・エンジニアが自ら製作したレース車両(LEXUS LC)で参戦する予定で準備を進めていた。
しかし、世界的な新型コロナウイルス感染拡大によって、チームメンバーの渡航制限、現地での走行テスト自粛などの、車両の開発に甚大な影響を受けている。
今回の車両には本年初投入のエンジンと周辺技術の導入が予定されており、この状況下では、極めて過酷なニュル24時間レースにおいて、安全に完走するだけでなく、参画する多くの社員及び関係者の安全確保にも課題があると判断し、本年のニュル24時間レースへの参戦を見送りが決定した。
2021年、ニュル24時間レースへの再挑戦を目指す
一方、TGRの原点であるニュル24時間レースの重要性は変わらず、来年以降も参戦を続けていくとのこと。
今回の決断によって生まれた時間を有効活用し、早期から2021年6月に開催が予定されている来年度のニュル24時間レースの参戦準備を始めていく構えだ。
トヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男氏のコメント
先日、ニュルに住む友人から、今年も変わらず綺麗な花を咲かせた“ニュルの桜”の写真が送られてきました。
毎年、その桜の前で、チームも私も、安全を祈り、もっといいクルマづくりを誓って、レースに臨んでおりました。今年は、それを出来ず、残念で仕方ありません。
遠く離れた日本からではありましたが、その写真を見ながら、この逆境の中でも“もっといいクルマづくり”を続けていくことだけは誓いました。
本年は参戦を見送ることになりましたが、社員メカニック、社員エンジニア、そしてプロドライバー、サプライヤー、スポンサーパートナーの皆様と共に、“もっといいクルマづくり”の挑戦は続けてまいります。
ファンの皆さまにも、引き続き、我々の活動を見守っていただき、そして応援いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
スバル、TGRなどが5月24日にオンラインイベント「e-Nurburgring Race」を開催
24時間耐久レースへの参戦は見送りとなったが、TGRは5月24日(日)14時〜17時に、オンラインイベント「e-Nurburgring Race」が開催された。
スバル、TGRに加え、昨年のニュル24時間レースに参戦したRACING PROJECT BANDOHとKONDO RACINGも参加し、オールジャパンでモータースポーツの魅力やニュル挑戦への想いを配信。実際のイベントでは、ピットインではRACING PROJECT BANDOHの坂東監督がドライバーに質問するといったユニークなルールで進行。
レース終盤には、“モリゾウ”こと豊田章男社長が参戦!視聴者のコメントと相まってかなりの盛り上がりを見せた。