「GIGAスクール構想」 パソコン1人1台 整備加速へ 長崎県内小中学校

通信網構築に課題

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GIGAスクール構想

 児童生徒に1人1台のパソコン端末を使える環境を整備する「GIGAスクール構想」。長崎県教委によると、県内21市町のうち3月末時点でタブレット端末を全員分配備しているのは北松小値賀町だけで、多くの自治体は様子見の状態だった。国が実現目標を大幅に前倒ししたことで、本年度は県内でも整備に乗り出す自治体が増える見込み。文部科学省が通信環境などの全国実態調査を進めている。

 「GIGAスクール構想」は、インターネットを活用して児童生徒と教諭、家庭をつなぐ学習環境の構築を目指す。遠隔授業による学びの保障や、保護者との情報共有の効率化、校外教育の導入のほか教諭の在宅勤務などへの活用が期待されている。
 2019年度からの5カ年計画で政府が提唱し、当初は23年度までに全国の小中学校に1人1台のタブレットなどパソコン端末を整備する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの影響で休校が続いたことで政府は4月、緊急経済対策として2300億円を計上。本年度中に全国で端末整備を完了できるよう、目標を大幅に前倒しした。
 県教委によると、県内ほとんどの自治体がタブレットなどは未整備だが、国の予算化を受けて本年度中に整備を進める方針。県内全公立小中学校が一斉に導入する場合、約10万台が必要という。基本ソフト(OS)が同じ仕様の端末を選んだ自治体の分は、県教委が共同調達して導入コストを抑える方向で調整。県教委は5月末をめどに各自治体の意向を取りまとめ、文科省に報告する。
 文科省は校内の無線LAN環境や家庭のネット環境についても調査。通信網整備は喫緊の課題で、長崎市内の学校関係者は「まだ40人近くが同時に接続できる環境にない」と、校内ネットワーク構築を急ぐ考え。
 一方、ある自治体関係者は「初期整備は補助金でまかなえるが、その後の通信費や補修費などは自治体負担になる」と、運用コストを不安視する。県教委は「全国一斉に1人1台の時代が来る。導入を進める市町や学校をしっかり支援していきたい」としている。