鷹、紅白戦初戦で見えた起用プラン 左翼バレンティンで膨らむ起用の幅

紅白戦に4番左翼で出場したソフトバンクのウラディミール・バレンティン【写真:福谷佑介】

25日に再開された紅白戦で左翼で出場したバレンティン

ソフトバンクは25日、本拠地PayPayドームで全体練習を再開し、初の紅白戦を実施した。その後、プロ野球の今季の開幕が6月19日となることが決定。いよいよ、本格的に開幕に向けて動き出すことになった。

そのソフトバンクがオリックスとともに12球団の先陣を切って行った紅白戦。5イニング制で行われた一戦には松田宣浩内野手や柳田悠岐外野手といった主力組も出場して活気ある雰囲気の中で行われ、工藤公康監督も「今のところ順調にきていると思う。動きも、元気があって良かったと思う」と選手たちの動きに納得の表情を浮かべていた。

ここからソフトバンクは4試合の紅白戦を予定している。さらに2日から行われる12試合の練習試合も通して開幕に向けて様々な確認をしていくことになる。この日はまだ最初の紅白戦だが、それでも、今季の戦い方で見えたところもある。

その1つが新加入のバレンティンの起用法だ。この日の紅白戦でバレンティンは左翼の守備位置に就いた。3月のオープン戦、練習試合では指名打者としてしか出場していなかった。工藤監督は「とりあえず僕らの意向がある。バレはレフトを基本守ってもらうことを考えている」と語り、バレンティンを左翼で起用する考えを示した。

「帰ってきてデスパイネがDHになれば、バレンティンがレフト守る」

ソフトバンクにはデスパイネ、グラシアルというキューバ人助っ人がいるが、現在、母国キューバに滞在中。新型コロナウイルスの感染拡大の影響でキューバから出国できず、現時点では来日のメドは立っていない。開幕には間に合わない見込みで、バレンティンにかかる期待は大きくなる。

工藤監督は「外国人のデスパイネ、グラシアルが戻ってくるというところに関しては考えている中で、基本はレフトを守ってもらったほうがいい。基本はそこだろうと。帰って来られない状況の中でDHは考えるけど、帰ってきてデスパイネがDHになれば、バレンティンがレフトを守る」と語り、デスパイネ、グラシアルとの併用を考えた上でのバレンティンの左翼起用であることを示した。

デスパイネ、グラシアルを欠く開幕時はバレンティンがDHとなる可能性はあるが、例えば、ベテランの長谷川勇也と左翼とDHを交互に起用するなど起用の幅ができる。さらには上林誠知や中村晃、アピール中の栗原陵矢らを右翼や左翼、DHとしてバレンティンと併用することも可能になる。

デスパイネ、グラシアルという主砲2人を開幕から欠くことになるソフトバンク。だが、バレンティンを左翼としても起用できることで、ファンにとっては様々な起用の楽しみがもたらされるかもしれない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

© 株式会社Creative2