「誰もがヒバクシャになり得る」オンラインで世界に発信 ナガサキ・ユース代表団

テレビ会議アプリで発表会を開いた「ナガサキ・ユース代表団」のメンバー7人=24日夜

 核兵器を巡る最新の世界情勢を学ぶ「ナガサキ・ユース代表団」の8期生が24日夜、テレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使った発表会を開いた。長崎・広島の被爆の実相に加え、在外被爆者問題や現代の核情勢などを紹介し「誰もがヒバクシャになり得る世界に生きている。当事者としての自覚を持ってほしい」と訴えた。
 8期生は、長崎大生と県立大生の男女7人。4~5月に米ニューヨークで予定されていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議のサイドイベントに登壇する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で会議が延期されたため、主に海外向けにオンラインで発表会を開いた。
 国内外の約90人が視聴した。8期生は、長崎原爆で家族全員を失った被爆者が放射線の影響を心配しながら暮らしていることや、世界には現在約1万4千発の核弾頭があることを英語で紹介し、被爆は今も続く問題だと強調した。また、新型コロナは人類共通の脅威とした上で「新型コロナに危機感を抱くように、核兵器についても身近な問題と捉えてほしい」と呼び掛けた。
 25日はオンラインで記者会見を開き、長崎大2年の中村楓さん(19)は「私たちの発表を通して意見が変わったという視聴者もいて、よかったと思えた」と手応えを口にした。県立大3年の谷口萌乃香さん(20)は「いつでもどこでも誰でも、気軽に参加できるのはオンラインのよいところ」と語った。
 8期生は今後、8月9日の「原爆の日」に合わせたイベントや、県内の中学校で核問題などを教える出前講座を計画している。

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