インテリアのイメージチェンジで、もっとも効果的なのは照明です。天井に張り付いたような円盤型のシーリングライトから、ペンダントライトやスポットライトに変えるだけで、カフェやショップのような陰影のあるおしゃれな雰囲気になります。ペンダントライトやスポットライトを設置するのに最適なのが、ダクトレールと呼ばれる細長い形状の照明パーツ。ダクトレールの付け方は難しいように感じるかもしれませんが、簡単に取り付けできる簡易型のダクトレールであれば電気工事の必要はなく、DIYの取り付けが可能です。
《目次》- ダクトレールとは?
ダクトレールとは?
1本のダクトレールに複数のライトをセットすることができる
ダクトレールとは、天井に照明器具を取り付けるための細長い形状の照明部品です。ライティングレール・照明レールとも呼ばれます。ダクトレール内には電気が流れており、1本のレールに複数のライトが吊り下げられるため、多灯照明を気軽に楽しめます。
レールの長さのバリエーションはいくつかあり、配置が自由だったり、スピーカーやフックを設置できたりすることから、インテリアの雰囲気をガラッと変化できることが最大のポイントです。
簡易ダクトレールと直付ダクトレールの違い
ダクトレールには、簡易ダクトレールと直付ダクトレールの2種類があります。簡易ダクトレールとは、ご自身で購入したダクトレールを天井のシーリングに取り付けるだけで簡単に設置できるタイプ。ダクトレール本体のアタッチメントを、天井シーリング部分のローゼットに挿し込めば設置が完了します。
直付ダクトレールとは、シーリングがない場所に取り付けたいときや、天井に直接設置したい際に使用するタイプです。直付ダクトレールの場合は、レールを取り付けるための工事と電気工事士の資格を持った人による作業が必要となるので、簡易ダクトレールのように簡単には取り付けられません。
ダクトレールは簡単に取り付け可能?費用はいくら?
電気工事不要、シーリングを使用する簡易ダクトレール
簡易ダクトレールの設置は天井のローゼットに差し込むだけでOK。工事不要なのが魅力
簡易ダクトレールの取り付けには電気工事や複雑な配線が不要で、比較的簡単に取り付けできます。天井のシーリング部分あるローゼットに、ダクトレールについているプラグを挿し込むだけなので、賃貸物件でも天井や壁を傷つけずにDIYができるのが魅力的です。
簡易ダクトレール本体の価格は、本体の長さや材質などにより異なりますが、大手通販サイトでは1本あたり3000円~2万円程度で購入できます。ダクトレールに取り付ける照明器具は、2000円程度から数万円の製品まで非常に幅広くなっていますが、シンプルなものであればとてもリーズナブルに購入できます。
ソケット、スポットライト、ペンダントライトなど好みのタイプの照明器具を取り付けられ、部屋を明るくオシャレにできるでしょう。
直接取り付けたい場合は業者に相談
直付ダクトレールならば天井にスマートに設置可能。ただし業者による工事が必要
簡易ダクトレールは簡単に取り付けられるのが魅力ですが、構造上、天井から浮いてしまう、好きなところに設置できないというデメリットがあり、できるなら直付ダクトレールを取り入れたいところ。ただし、ダクトレールを天井に取り付ける工事になるため、電気工事士の資格を持った業者に依頼する必要があります。
リノベーション施工事例の多いクロニクル建設に聞いたところ、「10畳程度の部屋に1.5mのダクトレールを2本設置した場合、電気工事、天井のクロス補修、下地工事等含めて、トータルで30万円程度(税込み)」とのこと。
取り付け場所やダクトレールの長さ、個数によって工事費用は上下するので、上記金額を参考にリノベーション業者に相談するのがいいでしょう。
ダクトレールを設置するメリット
壁際にダクトレールを配すれば、ライティングで壁に陰影がつけやすく、ニュアンスに富んだインテリアに仕上げられる### 自由度が高い
ダクトレール最大のメリットは、照明の配置場所とタイプが選べる自由度の高さです。簡易ダクトレールの長さは基本的に50cm・1m・1.5m・2mとほとんどの商品が50cm単位と決まっていますが、レール内でのライトの位置は変更できるので好きな間隔で設置できます。直付ダクトレールの場合は、好きな長さ、好きな場所への設置が可能。より自由度が高くなります。
レールにスピーカーを取り付けて音響環境を改善したり、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを吊り下げてボタニカルテイストなインテリアにしたりと、DIYの自由度の高さにメリットを感じるでしょう。
レール自体のデザインは選びにくいが、アクセントとしての活用も
ダクトレールのカラーやデザインは、白・黒・茶色といったスタンダードなものが多く、インテリアに馴染みやすいものや天井のカラーと合わせやすいタイプがほとんどです。
ダクトレールのデザインの幅が狭いことがデメリットに感じる方もいるかもしれませんが、レールに取り付ける照明器具は種類豊富なのでライトで個性を演出できます。また、ダクトレールは天井に取り付けていることから掃除がしにくいというデメリットがありますが、ダクトレールカバーを装着すればでホコリや汚れが防げます。
ダクトレールカバーは1本500円~1000円程度と非常にリーズナブルになので、レールの数だけ購入しておくことをおすすめします。
照明器具を選ぼう。スポットライト、ペンダントライトの特徴は?
部屋のインテリアに合わせて照明を組み合わせられるのもダクトレールの長所
ダクトレールを取り付ける目的として「おしゃれな照明器具をつけたいから」という方も多いと思います。インテリアショップや大手通販サイトでは、非常に多くのスポットライト・ペンダントライトが販売されており、とてもワクワクしますよね。ここからは、照明器具を選ぶときに覚えておきたいスポットライトとペンダントライトの特徴を解説します。
スポットライトはシンプルでスタイリッシュな空間を演出
スポットライトとは、特定の場所に強い光を照らす照明器具です。スポットライトには、シンプルな金属のシェードタイプから、アンティーク調のカラー、スタイリッシュなヴィンテージカラー、ナチュラルな木目調など幅広いタイプから選べます。今のインテリアのテーマや家具に合わせたスポットライトを選べば、雰囲気を壊さずそのまま室内をランクアップさせられるでしょう。
読書やパソコンで作業をする部屋や、手元を特に明るく照らしたいキッチンでは、スポットライトが便利です。オシャレ過ぎずスタンダード過ぎない、ベストな照明器具でDIYを楽しみたい方には、スポットライトがおすすめです。
ペンダントライト はデザイン豊富でインテリアに合わせて選べる
ペンダントライトとは、ペンダントのように吊り下げられた照明器具です。シェード付きタイプは特に種類が豊富で、お部屋の雰囲気をガラッと変えられます。
ペンダントライトのシェードには、一般的な金属をはじめカラフルなガラスや高級感を高める真鍮(しんちゅう)などの材質のものがあり、インテリアにあわせた素材で個性を全面に出すことができます。
最近では、北欧テイストなペンダントライトに注目が集まり、北欧らしいボタニカルテイストなものや、やさしい色合いのシェードがついたタイプの人気が高まっています。
他にも、アンティーク調の電球型ペンダントライトであれば、複数個並べてレトロであたたかみのある雰囲気を出したり、ダイヤ型やスター型のフレームが付いたものでポップな雰囲気にしたりと、自由度が高さを感じられるでしょう。
シンプルなデザインから個性あふれるデザインまで、自分好みの照明器具を選びたいという方はペンダントライトがおすすめです。
ダクトレール1本に照明をいくつ取り付けられる?最大ワット数でみる照明の数の決め方
1本のダクトレールに取り付け可能な照明器具の数は、ワット数で計算する
ダクトレールには商品ごとに1本あたりの許容ワット数が決まっており、1本のレールに取り付けられる照明器具の数が限られています。たとえば許容ワット数が600Wのダクトレールの場合、スイッチ1個でダクトレールが1本の場合600Wまで、スイッチ1個でダクトレール2本の場合は、合わせて600W以内に抑える必要があります。
またスイッチが2個でダクトレールが2本の場合は、合計1200Wまで使用が可能です。電球には25W・40W・50Wというようにワット数が決められており、数字が大きいほど明るく消費電力が大きくなります。リビングが200W~300W程度がよいとされていますが、電球の明るさは室内の広さと取り付ける場所と高さにより異なるので、適切なものを選びましょう。
「600Wをオーバーしないかな?」と不安になる方もいるかもしれませんが、室内でも特に明るいリビングにつける電球で300W前後なので、複数の照明器具を取り付けても問題なく使用できるはずです。
100Wの照明器具を3つ並べても300Wなので、600W以内でそれなりの明るさで照らすことができます。許容ワット数をオーバーしてしまうと、照明内の温度上昇により部品の劣化や変形、故障、最悪の場合には火災の原因となるので、正しく使用しなければいけません。ダクトレールごとに許容ワット数は異なるため、商品を購入する前には商品の説明書を確認しておきましょう。
ダクトレールを取り付けるときの注意点
ダクトレールのサイズ規格は各メーカー共通ですが、許容ワット数同様に商品によって耐荷重量が異なります。たとえば耐荷重量が合計6kgのダクトレールの場合、中央部に6kg以内または左右1か所に3kg以内の照明器具であれば問題ないでしょう。
しかし、左右どちらかに5、6kgの重量の照明器具を取り付けてしまうとバランスが悪くなり、照明器具やダクトレールが外れてしまう危険性があります。万が一の事故を起こさないために、負荷質量のチェックと照明器具のバランスには注意をしましょう。
また、どの範囲でライトを照らしたいかを決めておき、レールを利つける範囲の寸法を測るなど、部屋に適切なダクトレールのサイズを選ぶことも重要なポイントです。
◆こちらもおすすめ◆
<<「天井のリフォーム」について解説!>>
✔︎天井リフォームの費用相場は? クロスや板張りなど施工事例別に解説
<<「リノベの費用」について解説!>>
✔︎【リノベにかかる費用】新築マンションを買うより、中古マンションをリノベしたほうがお得ってホント?
✔︎リノベーションの費用と内訳。一体、何にどれくらいかかるの?
✔︎【リノベのローン】リノベーション代も住宅ローンにコミコミでOK?
<<マンションリノベの注意点とは?>>
✔︎【リノベ物件の売却】エッジが利きすぎたリノベーションマンションは売れない?
✔︎【リノベと耐震】中古マンションって大地震で崩れたりしませんか?
✔︎ 【専有部分と共用部分】中古マンションをリノベしたいけど、トイレの位置って変えられないの?
<<リノベーションの事例が知りたい!>>