【新型コロナ】出社再開の通勤客、歓迎と不安と 緊急事態解除一夜明け

緊急事態宣言解除から一夜明け、足早に通勤するマスク姿の市民ら=26日午前8時20分ごろ、JR横浜駅・中央通路

 緊急事態宣言が解除されて一夜明けた26日朝、横浜駅ではマスク姿で仕事に向かう通勤客の波が途切れることなく続いた。宣言解除で久しぶりの出社となった会社員からは「仕事が進めやすくなる」と歓迎の声が聞かれた一方で、混雑し始めた電車での感染リスクを警戒する声も相次いだ。

 「リモートワークに限界を感じていた」と話すのは、不動産会社に勤める横浜市鶴見区の男性会社員(25)。週4日、在宅勤務だったが今後は出社が増える予定という。忙しくて後回しにしがちだったデスクワークに集中できたメリットを感じつつ、「オフィスの機器が使えず不便だったし、上司に気軽に相談できずに困っていた」と足早に会社へ向かった。保険会社勤務の同区の男性会社員(51)も「直接会わないと部下の考えや気持ちを十分に理解できてなかったと思う。私は元々の仕事の仕方がいいかな」と語った。

 都内から金融会社に通勤する男性会社員(56)は4月上旬から在宅勤務が続いていた。「在宅ではできない業務がある」と出社許可を求めたが認められず、この日ようやく出社が許可され、「通勤がないのは楽だったが、仕事をしながら子どもの世話をするのが大変だった」と苦笑した。

 「リモートワークでも仕事はできると感じた。今後は電車に乗る機会が増えるので感染のリスクが心配」と打ち明けたのは、人材会社勤務の横浜市磯子区の女性会社員(27)。週3日だった在宅勤務が6月から減る予定という。宣言期間中も出社していた不動産会社の男性会社員(48)は「先週くらいから電車に人が増えている。宣言が解除されたからといって安心できる状況ではない」と不安そうに話した。

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