【新型コロナ】「日本初の海水浴場」今年は中止 大磯町、解説指針の厳格化で断念

海水浴発祥の地として大磯海水浴場を開設した松本順をたたえる石碑=大磯町

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、神奈川県大磯町は26日、「日本初の海水浴場」として知られる大磯海水浴場の開設を中止すると発表した。海水浴場開設の条件と示された県のガイドライン案に「ガイドラインを守りながらの海水浴場の運営は困難」(町担当者)として苦渋の決断をした。

 今夏の海水浴場開設を巡っては県が21日、感染防止策のガイドライン案を提示。海の家の完全予約制や海水浴客のソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保など厳しい内容が盛り込まれた。

 町によると、地元の海の家営業者らとも協議し、海の家の開設も見送るという。また、海水浴シーズンに合わせオープンしていた照ケ崎プール(同町大磯)も今夏の利用は休止する。

 大磯海水浴場は1885年、旧陸軍軍医総監も務めた松本順が医療目的に開設したのが起源。約10万人が県内外から訪れ、今夏は7月5日に海開きする予定だった。中﨑久雄町長は「海水浴発祥の地として中止はやむなきことで残念」と話した。

 県内では茅ケ崎市のサザンビーチちがさき海水浴場も開設中止が決まっている。

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