長崎市が平和関連3事業の中止発表 ハワイへの高校生派遣、県外原爆展、青少年ピースフォーラム

 新型コロナウイルス流行を受け、長崎市は26日、被爆75年の平和関連事業のうち、8月に予定していた米ハワイへの高校生派遣など若い世代への「継承」を目的とした三つの事業の中止を発表した。市は「被爆75年を迎えるに当たり、次世代の継承が重要になっている。『3密』を防止した上で代替事業の実施を検討していく」としている。
 ハワイへの高校生派遣は、長崎大核兵器廃絶研究センター(RECNA=レクナ)と連携し、初の試みとして計画。市内の高校生5人が渡米し、現地の若者との意見交換を予定していたが、訪問先となる大学や施設の閉鎖が続いている現状を受け、派遣を断念した。
 中止するのはほかに、「県外原爆展」と「青少年ピースフォーラム」。原爆展は1994年から全国で開いてきたが、今年の開催予定地だった鳥取、富山両県から中止の申し出があった。富山県では規模を縮小し写真パネルだけ展示する。
 毎年8月8、9日に市内で開く同フォーラムには全国から中高生が参加し、被爆体験講話などを通じて平和の尊さを学んでいる。昨年は575人が参加しており、市は「3密の解消が難しい」と判断した。

© 株式会社長崎新聞社