日豪往復する大黒柱ワーママが読者の悩みに寄り添う共感エッセイ、小島慶子『曼荼羅家族』発売!作家・白岩玄とのロング対談も!

10年続いた『VERY』人気連載もついにフィナーレ。大黒柱ワーママとして日豪を往復しながら読者の悩みに寄り添い、 泣き、 笑い、 怒った、 ママたちとの共感の記録。 2本の書き下ろし、 いままであまり語ってこなかった父との別れをつづった「父の話」、 連載終了後にネットでバズった「エア離婚」のほかに、 作家・白岩玄さんとのロング対談「『男らしさの呪い』を解く」を収録。 小島慶子は最後までVERY失格だったのだろうか。

小島さんがぜひお会いしたいという「男らしさ」≒男の生きづらさ、 をテーマにした小説を発表された白岩さんとの対談が実現。 フェミニズムからルッキズム、 イクメンアピールから男の「母殺し」まで…。

白岩 玄 コメント
「僕自身メディアで、 どちらかというとフェミニズム寄りの発言をしながら、 『自分は時代遅れの男性たちとは違うぞ』という意識になってしまう瞬間があって、 『これは新しい男らしさの再生産をしてるだけじゃないか』と落ち込むんです」

小島慶子 コメント
「男らしさの呪いを殺すためには、 最初に出会った、 最初の『らしさ』の刷り込みを行った主である母を殺さなくては。 あとは、 会社というママ。 日本の会社って母親じゃないですか。 何も余計なことを考えなくていい、 税金もママが収めといてあげるから、 とにかくお仕事だけ一生懸命しなさい、 って」

【「まえがき」より】

この本は、 『VERY』という雑誌でおよそ10年続いた連載「もしかしてVERY失格!?」および「もしかしてVERY失格!? Beyond! 豪の者編」をまとめた単行本シリーズの完結編です。 第1弾『女たちの武装解除』、 第2弾『女たちの和平交渉』に続く第3弾は『曼荼羅(まんだら)家族』。 あの仏さまがいっぱいのマンダラですが、 梵語で本質を有するものの意で、 日本国語大辞典には「悟りのための修行の道場」とあります。 おお、 家族ってまさにそうですよね。 (中略)

子育ては、 長らくオンナコドモの領域と軽視されてきました。 けれどやってみて分かったのは、 これほど根幹から人間というものを見つめる営みはないということです。 私たちは赤ん坊から社会的存在になり、 知性を身につけ、 思考し、 行動し、 居場所を探して、 他者との共存を模索します。 息子たちの成長を見ながら、 私は自分の人生を辿りなおし、 夫の子ども時代を知ろうとし、 ヒトがどうやって人間になるのか、 その過程を見逃すまいと目を凝らしました。 それを記録したのが『VERY』のエッセイです。

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