今は敷地の草抜き 花火大会中止で倉庫に尺玉の山

新型コロナウイルスの感染拡大により、夏の風物詩である花火大会の中止が相次ぎ、花火を製造する三重県内の業者にも影響が広がっています。

県内でも数少ない打ち上げ花火の製造会社、亀山市にある伊藤煙火工業では、県内外約100カ所の夜空を花火で彩ってきましたが、今年はほとんどで開催が見送られ、花火製造の繁忙期となる5月も作業をストップしています。

倉庫には、出番を失った尺玉などの花火が段ボールで山積みされています。

今年の分を消費できないため来年に向けた準備も始められず、製造を止めた今は敷地内の草抜きや倉庫の整理などを行っています。

伊藤照雄会長は「例年だといろんな所で花火大会の音が聞こえてくるが、それが聞こえてこないと寂しい」と話します。

そんな中、苦境に立たされている全国の花火業者が集まってある取り組みが計画されています。

新型コロナウイルスの悪疫退散を願って、全国で同じ日の同じ時間に花火を打ち上げるというプロジェクトです。

集客を避けるため日時や場所は非公開ですが、伊藤さんは「花火で多くの人に元気を届けたい。今年はこれが最後の花火になるか、また盛り返すかは分からないが、その時だけでも楽しんでいただければ」と話していました。

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