長崎県が子どもの貧困対策で素案 世代間連鎖の解決へ 進学率上昇など34指標

県子どもの貧困対策推進計画案の主な指標と目標値

 長崎県子育て条例推進協議会の本年度初会合が27日、県庁であり、県は新たな「県子どもの貧困対策推進計画」(2020~24年度)の素案を示した。国の新たな指針「子どもの貧困対策に関する大綱」の内容と、県が18年度に実施した「子どもの生活に関する実態調査」の結果を踏まえて34項目の指標を設定。地域や社会全体で貧困の世代間連鎖の解決を目指す。
 県が18年度に実施した調査によると、本県の子どもの相対的な貧困率は11.2%で、ひとり親世帯の貧困率は30.2%。貧困状態の子どもは自己肯定感が低い傾向などがみられた。
 新たな計画の基本方針は▽親の妊娠・出産期から子どもの社会的自立まで切れ目のない支援▽支援が届かないまたは届きにくい子ども・家庭の早期発見・支援▽市町をはじめ関係機関と連携した取り組み-の三つ。子どもに関わる支援者の研修強化や、民間の子ども食堂との連携など県独自で分野横断的な施策も展開する。
 計画の最終年度となる24年度の数値目標も設定。生活保護世帯の子どもの高校などへの進学率は95.4%。過去5年間の平均94.9%をベースに毎年0.1ポイント改善させる。児童養護施設で暮らす子どもの大学などへの進学率(18年度34.1%)は45%に、ひとり親家庭の子どもの大学などへの進学率(17年度46.8%)は全国平均(16年58.5%)並みまで引き上げることを目指す。また、子どもの貧困対策についての計画は県内20市町(小値賀町を除く)での策定を推進する。
 素案は6月定例県議会の文教厚生委員会で報告し、パブリックコメントを経て、10月に策定する方針。

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