選手会はさらなる年俸削減に応じない姿勢 交渉の行方は?

メジャーリーグ機構は選手会に対し、50%ずつの収益分配のシステムを撤回し、年俸額に応じて削減の割合を変更するシステムを提案したが、メジャーリーガーたちの反応は芳しいものではなかった。日本時間5月28日には、マックス・シャーザー(ナショナルズ)が自身のTwitterでさらなる年俸削減に応じるつもりはないことを明言。2020年シーズンの開幕に向けて、メジャーリーグ機構と選手会は妥協点を見出すことができるのだろうか。

シャーザーは、ツイートした画像(メモ帳のスクリーンショット)のなかで「他の選手と最新の動向について話し合ったが、年俸削減についてこれ以上メジャーリーグ機構と関わる理由はない」と自身の主張を明確にした。さらに「以前にも日割りの給与という形で減給の交渉を行ったが、選手会が入手している現在の情報に基づくと、2度目の減給に応じる正当性はない」としてさらなる減給を断固拒否。シャーザーによると、他の選手たちも同じ意見を持っているという。

メジャーリーグ機構側は、無観客でのシーズン開催となれば収入の大幅減は避けられず、選手へ支払うサラリーをさらに削減したいと考えている。一方、選手会はすでに年俸削減に関する交渉は終わっており、これ以上の減給は受け入れられないというスタンスだ。今のところ、両者の溝が埋まる気配は見られない。

ESPNのジェフ・パッサンによると、選手会は今週中にメジャーリーグ機構に対して経済面の問題についての提案を行う予定だという。ただし、シャーザーがツイートしたように、サラリーについて譲歩するつもりは全くないようだ。

また、日割りの給与を主張している選手会は、メジャーリーグ機構が提案する82試合制ではなく、100試合前後でのシーズン開催を望んでいることが報じられている。ジ・アスレチックのケン・ローゼンタールは「試合を追加すれば、選手たちはより多くの給与を手にすることができるからだ」と伝えている。

無観客開催によるダメージをなるべく小さくしたいメジャーリーグ機構。少しでも多くのサラリーを得たい選手会。両者が妥協点を見つけ、2020年シーズンの開幕を迎えられることを祈るばかりである。

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